おかあさん
私がまだ幼い頃、母は同居している姑にこき使われていた。
誰よりも遅く寝て、誰よりも早く起きる。
家事全般に加え、父の仕事の手伝いまでこなし、その働きぶりは幼少の私でさえも驚きを隠せないものだった。
ある日、庭の手入れをしていた母に尋ねたことがある。
「おかあさん?」
「なに!」
「大丈夫?」
母は崩れ落ちて泣いてしまった。
大丈夫ではなかったのだ。
後に母と父は離婚し、生まれていた弟と私の親権を巡る壮絶な戦いになるのだが……それはまた別のお話。
本日は弟の誕生日でした。