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片道切符  作者: 尖角
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寒さの中に眠る思い出

ベッドで横になる君。

窓の外を見て、「綺麗だね」っていう。

星が輝く窓の外。 でも、私にはそれが儚く感じる。

チカチカ小さく瞬く。 それは君の命の灯のよう。


いつ消えてしまうのか。 もっと、大きく私の隣で燃え滾れ。

君の隣にはいたいけど、本当は弱ってく君の隣にはいたくない。

でも、離したくない。それに、君は一人だと諦めてしまいそうだから。


安心して?私はもう泣かないって決めたの。

泣くのは、一人になった時。それまでは、ただ強く。

君が私に望むのは、こんな女じゃないってのはわかってる。


けど、君が知っているのが私の全てじゃないよ?

君にはまだ、見せてない一面がある。実は、我儘な私。

君の前では可愛くいたいから、見せてこなかった一面。

だけど、本当は私にだって言いたいことはある。伝えたいことはある。


君が今まで私に言ってくれた「好き」の分だけ、

いやっ、その倍以上、君に伝えたい。口に出して言いたい。


そのためには、君が隣にいてくれなきゃ困る。

私の我儘だけど、私たちはもっと経験すべき。


私たちは喧嘩を知らない。倦怠期を知らない。

でも、君が好きな分、好きすぎて見えなかった一面もあると思う。

君に見せてきたものが全てじゃない。だけど、隠してたわけじゃない。


全ては時間が解決してくれると思っていた。


でも、もういいの。 そこまでは望まない。

せめて、君の良い場所も悪い場所も、知らない場所も含めて、好きでいたい。

そして、君は「綺麗だね」って私にも言って。 それだけでいいの。


頭に残る君の声を、私への想いで埋め尽くしたい。

全部、全部、君の声も香りも感覚も覚えておきたい。

いっそ、君に溺れて死んでしまいたい。


でも、これは口に出しては言えないセリフ―――――





















君と約束した3つのこと。

「諦めない・弱音は吐かない・最後まで愛す」


それだけは守って見送りたい。


それがベッドから起き上がれなくなった君にできる数少ないこと。


まさか、クリスマスを迎えられるとは思わなかった。

このままいけば、新年もきっと大丈夫。






けど、神様はいつだって私達に「きっと」をくれない。


雪がチラつく中、君の命はどこかに散っていった――――――――――

























お願いです。 お願いです、サンタさん。


どうか、プレゼントは彼にしてください。











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