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片道切符  作者: 尖角
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君への想い

半年前、病にかかった君。

医者から私たちの関係は終わりだと告げられた。


もって半年。君は来年を迎えられないかも。

そう言われた。でも、実感が湧かなかった。

元気な君。いつも通りの健康診断。だけど、医者は……。


けど、時が経つにつれて、君は「疲れ」を訴え、

そして、身体が悲鳴を上げていると私に言った。


君の笑顔がいつから作り笑顔になっていたのか、

いつから君は身体に“我慢”をさせていたのか。

私は全然気付くことができなかった。てっきり、医者は嘘吐きかと……。






君の笑顔が好きだった。

そんな君が笑わなくなったのはいつからだろう。

医者から告げられたあの日、君は「大丈夫」と言ったよね?

君はすでにあのとき、気付いていたのかな?自分の身体の状態に。

異変を察知できなかった私。隣にいたのに、何を私は見ていたのか。

こんなにも苦しくって、こんなにも君を愛おしいと思ったことなんてない。


君と付き合い始めて、5年とちょっと。

今まで私が付き合った中で一番長い記録。そして、その時間が君との記憶。

できることなら、このまま結婚したいと思っていた。

いつ君が言ってくれるのだろうって待っていた。ずっと、待っていた。

けど、その日が来る前に、別れを告げられた。


「弱ってく姿を君に見られたくないんだ……」



付き合ってから初めて見た君の涙。

君は本気なんだと、口に出さなくても伝わってくる。


「すまない」「本当は、お前と……」


何が言いたかったのか、それは聞けなかった。


お互い涙でいっぱいになって、話すことができなかったから。

だけど、きっと君は私と同じことが言いたかったんだよね?


私は君が好き。 君だったら、弱ってく私でも支えてくれるでしょ?

だから、私も支えたい。 どんな君でも、君は変わらず君だから。

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