第六話
合流予測地点についてしばらくすると袁術の部隊と雪蓮がやってきた、
「なんとか三千だけど借りられたわ、かなり嫌味を言われたけどね、それと、指揮官として兪渉将軍がいるわ。」
「兪渉という、お前たちの働き次第では袁術様の覚えが良くなるということをよく理解しておくんだな。」
(この手柄は全て俺のものだがな。)
偉そうな物言いをする男であるが、
孫陣営からすれば袁術の覚えなどどうでもいいことだった、
それにこの男の存在も…
そうこうしているうちに黄巾党と接敵する、
「袁術軍突撃ーーーー!!」
AIが兪渉の音声を加工し指示を出す、
「「「「「おおおおおおおーーーーーーっ!!!」」」」」
渋々ながらも袁術軍は黄巾党に対して突撃をかける、
「だ、誰……」
兪渉が言葉を続ける前に将が氣で兪渉の息の根を止める、
「あんたの不運は袁家に仕えたことだ、じゃぁ、俺はちょっと行ってくる。」
そう言うと将は空中を駆け上がる、
空を飛ぶのではなく跳ぶ、
氣で空気を弾き駆け上がっているのだ、
しかしその姿は誰にも見えない、
光学迷彩の装束に身を包んでいるためだ、
「未来というのはすごいのう、あんな服まで作れてしまうのだから。」
そんなことを言っている間も袁術軍と黄巾党は戦っていた、
彼我戦力差は倍以上、
既に袁術軍は押されている、
壊滅まであと一歩手前といったところである、
ドーーーーーーンッ!!!!
そんな戦場のど真ん中に突如上空から巨大な岩が降ってきた、
「空からなんか降ってきやがったーーー!!」
戦場は大騒ぎ、
「なんだ? 人影が見えるぞ。」
よくよく見ればもうもうと立ち込める土煙の中心に人影が見える、
土煙が晴れた後そこに立っていたのは、
光り輝く白い服に身を包み白い立派な顎鬚を蓄えた男だった、
「天の御使いだっ!! 天の御使いがやって来たっ!!」
そう声を上げたのは孫策である、
いちはやく御使いのもとに走りより御使いに声をかける、
「御使い様っ天下に騒乱をもたらす黄巾の賊どもに天の裁きを、天下泰平を望む我らに力をお貸しくださいっ!!」
「お主孫策であるな?」
なんという大きな声であろう、その声は戦場全体に響き渡る、
「私の事を知っているのですか?」
「天上において孫伯符が天下泰平を願う人物であることを知らぬ神々はいない、此度の戦、孫伯符に助力いたそう。」
天の御使いが孫策へと助力するとの声が戦場に響き渡る、
それを聞き我先にと逃げ出す黄巾党、
そして天の加護を受けたと力が湧いてくる孫家の兵たち、
「全軍突撃ーーー!!」
「「「「「おおおおおおおーーーーーーっ!!!」」」」」
孫策の声を待ってましたとばかりに雄叫びを上げて突き進む孫家の兵たち、
先ほどの袁術の軍とは練度、気合全てにおいて違っていた、
天の御使いは空中へと駆け上がり黄巾党へ向かって何度も拳を振るう、
「天の裁きを受けるがいいっ!!」
拳が振るわれる度にドンッドンッと大きな音を立て黄巾党の仲間たちが吹き飛ぶ、
その威力に絶命するもの、手足がありえない方向に曲がるもの、手足がもげるもの、
阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていく、
その後には落ち武者狩りよろしく孫家の兵が一人残らず止めを刺す、
しばらくすると黄巾党は壊滅する、
それを見た天の御使いは、
「では我はこれで帰るとしよう、孫伯符よ、そなたが天下泰平を望む限り天はそなたの手助けをいたそう、では、さらばだ。」
そう言うと天の御使いは空へと駆け上がり見えなくなった。
「我らは天の加護により黄巾の賊を殲滅したっ!! 勝鬨を上げろっ!!」
「「「「「おおおおおおおーーーーーーっ!!!」」」」」
【孫家に天の加護あり】
この戦を見たという人があちこちで喧伝する、
黄巾党と孫家が戦っている最中に天の御使いが現れ孫家に助力をし天へと帰っていった。
それはたちまち大陸全土へと広がっていった。