第二十話
ちょっと時間が取れたので、
短いですが、
どうぞ。
「その勝負待って貰おうかっ!!」
公孫賛が始めの合図を出そうとしたその時割って入る者があった、
流れるような黒髪を横でまとめた女性である、
その美しい黒髪の持ち主は関羽、
劉備の義妹にして北郷一刀をご主人様と呼ぶ美少女である、
「その勝負、ご主人様に変わり私がさせて頂こう。」
「ふむ、条件をここで変えようというのであればそちらには対価として支払えるものを余分に支払って頂くことになりますが……それでも、よろしいですかな、北郷殿?」
北郷はこれで勝負は決まったとばかりに喜んでしまう、
「ああ、愛、関羽が俺の変わりに勝負をすることを認めてくれるのであればいくらでも支払ってやるよ、代わりにお前も約束は破るなよ。」
「ええ、それはお互いに。」
そういって魯粛は笑う。
関羽と魯粛はお互いに距離をとり構えた、
しかしそこで魯粛は棒を捨て懐に手をやる、
そして魯粛の手にしているものを見て、
「貴様、それは何の真似だっ!!」
関羽から怒声が発せられる、
しかし魯粛は気にもせずに、
「いえ、関羽殿相手であれば此方の方が適当であろうと思いまして。」
魯粛が懐から取り出したのは刀身が10cm程度の小刀であった、
「さ、始めましょうか。」
魯粛は関羽や北郷の横槍が入らないうちに公孫賛に始めの合図を求める、
「では、始めっ。」
公孫賛の合図の元に勝負は始まる、
関羽の獲物は青龍偃月刀、
対する魯粛の獲物は小刀、
先ほどの棒であれば勝負になるかもしれないのに何故棒を捨てたのかを趙雲や公孫賛には理解が出来なかった、
勝負が始まると魯粛は小刀を関羽に向かって投擲する、
パチンッ!!
魯粛が指を鳴らす音がした瞬間に小刀が爆ぜる、
関羽は飛来する小刀を迎撃する為に青龍偃月刀を合わせる瞬間に爆ぜた小刀からの飛散物を避ける為に青龍偃月刀を回転させ回避する、
視界が一瞬遮られたその瞬間魯粛が消えた、
ほんの一瞬の出来事であるはずなのにである、
関羽が魯粛はどこかと探す間もなく背後から声をかけられる、
「俺相手にはその一瞬が命取りだ。」
その声は関羽以外には聞こえないであろう小さな声であった。
魯粛に体をつかまれた感触を感じた直後、
視界が後ろへと流れるように反転する、
関羽の意識はそこで途切れた……
……………
…………
………
……
…
*****************************************
side劉備陣営
「そうですか、そんなことが……」
諸葛亮が顎に手をやり考え込む、
「あわわ、これからどうしようか……」
鳳統が帽子のつばに手をやり考え込む、
「ごめんねぇ、朱里ちゃん雛里ちゃん。」
「ごめん、俺が軽率だったんだ。」
北郷が拳を握り唇を噛む、
「いえ、起きてしまった事はもう仕方がありません、それよりも今後どうするかです。」
諸葛亮は寝台で寝ている関羽を見る、
「鈴々ちゃんは魯粛さんをどう思いましたか?」
北郷や劉備は魯粛のことを悪し様に言う、関羽が敗れ、まだ目を覚まさない今の関羽を見ればそう思いたいのも解らなくはない、
自分たち(特に北郷)がとった軽率な行動をなるべく棚上げしたいとも思っているのだろう、
しかし情報をうやむやにはしたくない諸葛亮は勝負がついた後で到着した張飛の感想を聞きたかった、
彼女の武人としての直感は信用できる、
「魯粛お兄ちゃんは強いのだ、たぶん鈴々よりも強いのだ、あ、でもでも、鈴々が本気の本気を出せばちょちょいのプーなのだ。」
張飛の最初の言葉こそがおそらく本心だ、
諸葛亮と鳳統はその真実を認めたくは無かったが認めるしかない事実を受け入れることにした。
「鈴々は愛紗をこんな目に合わせた魯粛が憎くないのか?」
北郷が張飛に問う、
「そりゃあ、愛紗をこんな目にあわせたのは許せないのだ、でも、それと勝負の結果は別なのだ、次は鈴々がやっつけてやるのだ!!」
「……ん……うるさいぞ、鈴々。」
「あ、愛紗が目を覚ましたのだ。」
その場に居た全員が関羽の寝台を囲み口々に関羽の体の心配をする、
「ええ、大丈夫です、むしろいつもよりも軽い気がします。」
その言葉に北郷や劉備が目をそらした。
*****************************************
side魯粛
「しかし、あれでよかったのですかな?」
馬上の趙雲が魯粛に問いかける、
その横で馬上の魯粛が趙雲に答える、
「しかたがないでしょう、あれが落とし処です。」
二人の後ろをついてくる馬がもう一頭、
魯粛と趙雲が乗る馬とこの三頭は公孫賛から送られた駿馬だ、
後ろの馬は美入の返礼として孫策へ、
魯粛が乗っている馬は自陣営において趙雲や北郷が勝負を仕掛けたことに対する詫びとして、
趙雲はともかくとして北郷に関しては関係ないのでは?
そう答えた魯粛に対し公孫賛は劉備は自分の旧知の友でもあるし北郷とも浅からぬ縁がある、
何より自陣においての不祥事に自分が責任を取るべきだ、と主張されたのでは魯粛が固辞すればするだけ公孫賛に恥をかかせることとなる、
そう考え有難く頂く事とした、
趙雲の乗っている一頭は趙雲への今までの報酬と労い、そしてこれから別の地へと赴く趙雲に対する餞別も含まれていた、
まことに苦労人気質だが得難い人物と交流がもてたことに魯粛は今回の戦においてこの交流こそが一番の戦果であろうと喜んでいた。
そうこうする内に孫家の陣へと到着する、
「あら、お帰りなさい、ずいぶんと立派な馬じゃない、どうしたの? それとその娘は誰なのかしら?」
「ただいま雪蓮、紹介する、公孫賛殿の所で客将をしていた趙雲殿だ、趙雲、彼女が我が孫家の主、孫策、伯符殿だ、挨拶を。」
趙雲は馬から下りると、
「我が主の仕える孫策殿ですな、某は魯粛殿にお仕えすることとなりました姓を趙、名を雲、字を子龍と申します、以後お見知りおきを。」
「ちょ、俺に仕えるだと?」
「はい、某が負けたのは魯粛殿であって孫策殿に降ったわけではありませぬ、己の仕える主は己で見つけたいと常々思っておりましたので、よき主にめぐり合えたと思っております。」
魯粛が呆然と趙雲の言葉を聴いていると、
「へぇ、貴女、面白いのね、私は孫策、字は伯符、真名は雪蓮よ、貴女に預けるわ、将をよろしくね。」
趙雲は孫策に向き直り、
「某の真名は星、以後は真名でお呼び下され、そして先ほどの……」
趙雲が言いよどんでいると孫策はその理由にピンとくる、
「将、あなた星に自分の正体を明かしてないんでしょ、教えてあげなさいな。」
「しょうがないか、俺は姓を草薙、名を将、字や真名を持たない国からきた者だが、我が名、将が真名に近しい、以後将と呼んでくれ、ああ、魯粛って言うのは偽名だ、諸事情でまだ草薙姓を名乗るわけには行かなかったんでね。」
そういって将は肩をすくめた、
「草薙、将殿。」
趙雲が噛み含めるように将の名をつぶやく、
「おう。」
「我が真名は星、我が身、我が魂魄、その全てを我が主に捧げます。」
「あらあら、凄いじゃないの将、もう誑しちゃったの? でもね星、将を狙っている娘、いーーーっぱい居るんだから、覚悟しなさい。」
等とそんなやり取りをしている間に将達の周りには人が集まってくる、
そこで再度趙雲の紹介と、孫家の陣営の紹介、そしてこれからの方針などを話すこととなる。
AIの紹介や将の封剣師の技、その全てが趙雲を驚かせることとなる、
回りはいつものようにニヤニヤと笑っていた。
「そうそう、星は将の子飼いなんだから将がお給金払ってあげるのよ。」
ま・じ・で・か。
そしてこの日、劉備陣営ではとてつもない叫び声が聞こえたという。
向こうは書かないのか?
そう言われそうですが今回もこっちです、
仕事がちょっと忙しくてあんまり書く時間も取れませんが構想はきちんと練ってます、
最後の部分は態と何で追求されても内緒ですw
出来るだけ早いうちに書きたいとは思っています。
でわ
ちゃおノシ




