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第十六話


*****************************************

side劉備


劉備軍は黄巾党の妖術の被害が大きかった、

その処理も大変ではあったが諸侯からの誘いも多くそちらの処理にも追われていた、

関羽、張飛の武も然る事ながら諸葛亮や鳳統の知略、

国姓の劉備、

そして天の御使い北郷一刀、


本来であれば天の御使いを担ぐなど反逆の恐れ有りと断じられかねないのだが国姓である劉備が担いでいると言う点が他の勢力との差だった。


朱里(しゅり)ちゃん、次は誰だっけ?」

薄い赤茶色の長髪をダラリと垂らし机に突っ伏しながら問いかけたのは劉備軍を束ねる劉備その人、

桃香(とうか)様、次は孫策さんの所です。」

朱里と声をかけられたのは10代前半の女の子に見える彼女は諸葛亮、ベレー帽に似た帽子をかぶった金髪ショートの見た目相応のペタン娘、

朱里とは彼女、諸葛亮の真名、そして桃香とは劉備の真名である、

「桃香様、誰が見ているとも限りません、もう少ししゃんとして下さいっ!!」

ダラケた劉備を注意したのは関羽、

長い黒髪をサイドテールにした巨乳の娘、

「あの、桃香様、お茶です。」

そう言ってお茶を机に置いたのは鳳統、

魔女のような大き目の三角帽子をかぶった銀髪のツインテール、見た目は諸葛亮と同じくらいの年頃、

ペタン娘なのも変わらない、

「ありがとー雛里(ひなり)ちゃん。」

雛里とは鳳統の真名だ、

「ほら桃香、お客さんが来る前にちゃんとしないと。」

そう言って声をかけたのは天の御使いこと北郷一刀、

白ランに薄い茶髪の若者である、

「うん、そうだね、頑張らなくっちゃ。」

机から顔を上げ両手でムンと気合を入れる、

その動作でその巨きな胸がブルンと震える、

「はわわ。」

「あわわ。」

((羨ましいですぅ。))

とは諸葛亮と鳳統の心の声、

「おおぉぉーーーっ!! ブルンって震えたのだっ!! 相変わらずお姉ちゃんのおっぱいはおっきいのだっ!!」

こんなことを言うのは張飛、

赤毛のショートで、こちらもペタン娘である、

お姉ちゃんと言ったが本当の姉妹ではない、

劉備、関羽、張飛は桃園で姉妹の契りを交わした仲だからである、

「こら鈴々(りんりん)、余計なことを言うなっ!!」

関羽が手にした青龍偃月刀の石突を地面へとドンと突く、

その勢いで関羽の胸も揺れる、

「あああぁぁぁーーーーっ!! 愛紗(あいしゃ)のおっぱいも揺れたのだぁーーーっ!!」

「鈴々っ!!」

と関羽が雷を落とす、

「ほら、鈴々もそれくらいにして、お客さんを呼べなくなっちゃうだろ、愛紗も怒るのは後にして、な。」

と天の御使いである北郷一刀がとりなす、

「解りました、ご主人様。」

「お兄ちゃん、ありがとうなのだ。」

鈴々とは張飛の真名、愛紗とは関羽の真名である、

そしてご主人様、お兄ちゃんと呼ばれたのは北郷一刀、

初めの内は慣れなかった呼ばれ方も最近では既に慣れていた。

「では、お呼びしますね。」

諸葛亮がそう告げ兵士に促した。






「孫策軍で軍師をしております程普と申します、お初にお目にかかります劉備殿、北郷殿、このたびの謁見感謝いたします。」

見事な礼でもって挨拶をする程普、


「あっ、はい、どうも、こちらこそありがとうございます。」

それに比べると劉備や北郷の方はまだ少しぎこちない、

「では早速ですが戦勝祝いの品をお納めください。」

程普の言葉で兵が下がり樽を数個持ってくる、

「我が軍の軍師が最近作り出した酒です、どうぞお納めください。」


無償で何かをくれる筈もない、

孫策が何かを要求していることは確かだ、

劉備たちには多くの勢力から声がかかっていた、

現在義勇軍と言う立場の劉備たちには本拠地が無い、

彼女たちを揶揄すれば根無し草である、

本拠地が無いと言う事は当然の事ながら税で軍を賄えない、

そこに目をつけ彼女たちを傭兵同然に使おうと考える勢力も多く、

まぁそんなこんなで彼女たちは苦労していた、




そんな状況を細作から得た将は、

「誰に頼まれたわけでもなく好きで義勇軍なんてやっているんだから自分から背負い込んだものを苦労しているとか言われても知らねぇよ。」

と呟いた、




そういった状況なので彼女たちは自分たちにとって出来るだけ条件の良い場所で功を立てたかったのだ、

劉備自身は自身の思いから全ての賊を片端から対処していきたいと思っていたが無い袖は振れないのだ、

諸葛亮や鳳統、さらには関羽にまで注意されてしまえばしぶしぶではあっても頷く以外に無かった。


天の御使いこと北郷一刀はこの状況であってもあまり深くは考えていなかった、

とはいえ何も考えていないと言うわけではない、

確かに現在は根無し草ではあっても三国志の知識として劉備はこの後に平原の相が与えられると知っている北郷はこの時点で自分たちを安売りする必要は無いと考えていた、

彼はこの世界は三国志演義をベースにした世界のパラレルワールドと考えていた、

自分のアドバンテージとも言える三国志演技の知識を誰にも話していなかったのは自分の価値としても有るが何処から話が漏れ自分が利用されかねないとの思い、

出来るだけ自分たちが有利に話を進めるためにも演技から話が大きくずれてしまうのは困るとも考えていた、

既に諸葛亮、鳳統と言った人物が自分たちの陣営に居ること、

この時期は未だ孫堅が健在のはずが孫策が軍を率いているということもあり、

自分の三国志演技としての知識の全てが適用されないといった状況もあったために彼は自分の三国志演義という知識に関しては誰にも話さないでいた、

(孫策は確か干吉とか言う仙人の呪いで死ぬんだったよな、それがいつかは解らないけど、回収する前に死なれたら堪ったものではない、孫堅が今の時点で死んでいるのだから孫策の死だって早い可能性もある、戦が上手かったと言う孫策が居たんじゃ自分たちが南に行くのは難しくなる、あんまり仲良くなるのも考え物だぞ。)

北郷はそう考えていた。


「えっとそれで孫策さん達は私たちに何を求めて居るのでしょうか? 私たち義勇軍は地盤もありませんから何かが出来るわけでも有りません、そんな私たちに孫策さんは何を求めるんですか?」


劉備の問いかけに程普は鳩が豆鉄砲を食らったかのように唖然としていた、


「ふむ、何か誤解があるようですが我々は何も求めていません、ただ戦勝祝いを届けにきただけなのですが、それとも劉備殿は我々が戦勝祝いで何かお返しを望んでいるとでもお思いですかな?」


「えっ、だって今までみんな……」

劉備が口ごもる、

「他所は如何であれ我々は貴女方には何も求めていません、我が軍の軍師が作り出した美入をお納めください。」


「ビールだってっ!!」

美入に反応したのは当然北郷だった、

この時代にビールは入ってきていないはずだ、

ビールを作ったのは誰なのか、

もしかしたら自分以外にも天の御使いが居るのかもしれない、

それが孫策陣営だとしたら厄介なことになる可能性がある、


「ええ、その美しさに魅入られるとの事から美入と名付けたそうですが、何か問題でも?」

「い、いや、問題と言うわけじゃないんだけど、ビールって言うのは俺の居た国で飲まれていた飲み物だったから。」

「と言うことは程普さん、その軍師さんも天の国の方なんですか?」

劉備が質問をする、

「我々の軍の軍師が何処の誰なのかを貴女方に説明する義務は有りませんな。」

「そこを何とか教えてくれないか?」

北郷が頼み込む、

「ふむ、何かを得ようとするのであれば対価が必要になる、解りますかな?」

諸葛亮や鳳統が止めようかどうか顔を見合わせた時には既に遅く、

北郷は頷き、

「俺で出来ることであれば。」

そう答えていた、


「では幾つか質問に答えていただきたい、我らの耕作……」



幾つかの質問を終え程普が答える、

「美入を作り出したものの名は魯粛、西方より訪れた旅人より蔵一つ分の財を払い製法を教えて貰ったとの事、それ以上のことは私には解りません。」

「その魯粛って言う人に出来れば会いたいんだけど今どこに居るんだ?」



「公孫賛殿の所に。」

「白蓮ちゃんの所っ!! ご主人様っ!!」

劉備が北郷を見つめると北郷と劉備は頷く、

「程普さんっ、今日はどうもありがとうございました、何かありましたら今後ともよろしくお願いします、この後のことは朱里ちゃんと雛里ちゃんに聞いてくれれば大丈夫ですから、二人とも、後お願いね、すみませんが失礼します。」

そう言って頭を下げると「ご主人様行こうっ。」と彼の手を取り出て行ってしまった、

そのあまりの速さに関羽ですら置いてけぼりであった。


「申し訳ありません程普殿っ!!」

我に返った関羽が頭を下げる、

しかし程普はそれを手で制し、

「気にしていません、では、劉備殿の仰ったように今後の事とやらを話しましょうか。」

上手く行った程普はそうほくそ笑んでいた。

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