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第62話 岩瀬先輩は神様です。

 

 現在、僕と会長は正座をさせられており、深く頭を下げている。岩瀬先輩に。


「このたびは」

「「このたびは」」

「岩瀬奈央さんにご協力と大変なご迷惑を」

「「岩瀬奈央さんにご協力と大変なご迷惑を」」

「お掛けしてしまい、私たちは岩瀬さんには頭が上がりません」

「「お掛けしてしまい、私たちは岩瀬さんには頭が上がりません」」

「あなたのおかげで」

「「あなたのおかげで」」

「私たちは付き合うことができました。何とお礼を言っていいか分かりません」

「「私たちは付き合うことができました。何とお礼を言っていいか分かりません」」

「本当にありがとうございました。 はい、ここで頭を床にくっつけるぐらい深くお辞儀」

「「本当にありがとうございました」」


 僕と会長は深~~~く頭を下げる。

 もう床にくっ付いているぐらい下げる。

 そして、岩瀬先輩の合図があるまで顔は上げない。


「うん、まぁこれだけしてもらえれば良いかな」


 1分ぐらいだろうか?

 そのぐらいの時間、僕と会長は床に頭を付けた状態でお辞儀をしていた。

 まぁ、僕と会長が付き合えるようになったのは岩瀬先輩の力が一番大きいのは確かだ。

 それに、今日もこうして会長の家に入れるのも岩瀬先輩のおかげだし。


「それで?君たちバカップルはあんな抱き合っててナニするつもりだったの?」


 岩瀬先輩はニヤニヤと楽しい物を見るかのような顔をしながら“ナニ”の部分を強調する。

 この程度の揺さぶりで動揺するわけ…。


「な、なななななナニ!?さ、さぁ?な、なんなんだろうね?ねっ!ワンちゃん!!」


 あぁ…。

 僕の横では会長が顔を赤くして、手をブンブンと動かす。

 この人、僕以上に頭の中はエロいのかもしれない。

 しかし…そんな会長も可愛い。


「僕も気になりますね。あのまま抱きついたままだったらナニされてたんでしょう?」

「わ、わ、ワンちゃんまで!」

「ほら、綾乃。ナニをしようとしていたのか言っちゃいなよ。もしかしたら犬塚くんがその事を実行してくれるかもしれないよ」


 まるでドカーンッ!!!と言うような音が出てしまうほど、会長の目が見開き、顔が真っ赤になる。

 そして、10秒と経たずに会長はそのままの状態で後ろに倒れてしまった。



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