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第47話 発見、そして調整。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……ったく…やっと見つけた…」


 ホント…この人は忍者なのか?と思うぐらい探したような気がする…。

 聞く人に聞いても全く情報は得られない。

 文化祭委員、風紀委員、文化祭を楽しんでいる学生。色んな人に聞いても情報が集まらなかったのだ。

 普通、こんな目立つ人が居れば誰かしら情報は持っている。

 そもそも、この人が動くたびに人が動くのだから情報がここまで集まらなかったのはおかしい。

 それに気が付いたのはさっきなんだけど…。


 何度か深呼吸をして息を整える。

 ここで大きな声は出せない。なぜなら保健室なのだから。

 僕の目の前では少しバカっぽい寝顔を浮かべている会長。

 体調悪そうだったのに、口を開けて端から少し涎を垂らしている辺り、この人は相当タフな人だろう。

 というか、治ったのか?とさえ思わせる。


「ん…んん…」


 会長は寝ていても視線を感じたのか僕に背を向けるように寝返りを打つ。


「ちょっとだけ横になろうとして爆睡って所かな?これは。このまま寝かせておくのが得策か…」


 会長に謝罪ともう一度怒ろうと思っていたけど、この寝顔を見たらバカらしく思えてくる。

 寝返りを打った際に布団がずれたのを治す。


「本当…黙ってれば美少女なのになぁ…でもま、あんな性格だったから生徒会も楽しいと思えたし、好きになっちゃったんだろうな…」


 規則正しく肩が上下するのを見ながら思ってしまう。

 でも、改めて言葉にすると何だか僕がMみたいに感じるのは気のせいだろうか…。

 そういうのは意識したこと無かったけど、少し悲しくなってしまう…。

 とりあえず、会長がこの状態だ。僕が会長の分をやらないと。

 カーテンを締め、保健室から出る。

 これから何をしないといけないか分からないけど、とりあえずスケジュールは生徒会室のパソコンにデータをあるはずだから、それを確認すればいいだろう。


 生徒会室へと戻り、パソコンを起動する。

 そして、会長の行動スケジュールを印刷して、僕のスケジュールを合わせる。

 時間が重なってしまっている所は用事の重要さで判断する。


 こうして比べてみると本当に僕の仕事は大したことじゃないことが分かる。

 そして、会長の仕事はほとんどが重要なモノばかりであり、どれだけ僕が楽をさせてくれてたのか良くわかる。少しムカつく所もあるけど…。


 会長と僕のスケジュールを合わせたのを手っ取り早く完成させ、行動をする。

 それにしても、不幸中の幸いというべきか、今後のスケジュールに会長自身が舞台に立つものは無い。

 あるのは体育館のタイムライン確認・調整。各先生との常務連絡。巡回などなど。休憩時間なんて一切無いガッチガチの過密スケジュールができあがった…。



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