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エモーション:R  作者: りんりん8140
第1章
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第1話「初めて未来へ《ファーストループ》」

本編が始まります!

まだお読みでない方は、1つ前の注意書きを読んでからお読みいただくことを強く推奨致します!!

ある夏の日、鈍い音と悲痛な声がこの交差点に響き渡る…


???「これで…良かったんだ…。」




◇◆◇◆◇




???「どこ…?ここ」



もう何百回と聞いたその声に俺、

柊真とうまは目を覚ます。


見慣れない森の中、

隣に先に立ち上がっていた

幼馴染の千華ちかの声が響き渡るのはよくわかる。



状況を早く理解するために

まだ目を覚ましたばかりの重たい体を起こすと、


横には弟、琉空りくも横たわっている。




琉空「うーん………おはよ……」



柊真「おはよう、琉空。」



琉空「あれ……ここどこ…?」



琉空も目を覚まし、

本格的にこの状況に対する疑問が湧き出てくるが、どれだけ辺りを見回してもここは森の中、


分かるのはここが交差点ではないことだけだった。




千華「柊真は分かんないの?」



柊真「分かるわけが無いだろ、

ただでさえ俺も戸惑ってるんだから…」



琉空「お兄ちゃんでも分からない場所って……」



柊真「とりあえず、いつもの光景では無いな。」



千華「それは分かるわよ…まったく……柊真ならわかると思ったのに……」



琉空「ほんとだよ…」



柊真「無茶言うな……」



そう、この2人は

困った時は俺を頼ればいいと思い込んでいる。


しかし、何をどう聞かれようとも、

この状況の打開策はない。

はっきり言えば、



─詰み─だ。



しかし、


しばらく立ちつくしていると、

背後から声が聞こえてきた。



背中を軽く叩かれ振り返ると、

執事服を着た八頭身のカエルが

今にも泣き出しそうな顔でこちらを見ている。



普通に考えれば明らかにおかしい見た目だが、そんなことは気にも止めなかった。


何より、なぜ泣きそうな顔でこちらを見ているのか、不思議でたまらなかったからだ。




柊真「大丈夫か?

やけに泣きそうな顔をしているが……」



カエル「いえ、柊真様とこのような形でまたお会いできて感激している次第でございます……


御容姿が若くとも、わたくしは覚えておりますぞ!」



カエルが喋りだし、日本語を流暢りゅうちょうに話す。


あまつさえ、俺の事を知っているらしい。




柊真「失礼、カエルさん、名前を伺っても?」



カエル「おっと、これは失礼…私としたことが申し遅れておりました。


私は生前の柊真様にお仕えしていた、ルークと申します。」



そう言ってルークと名乗るカエルは深々とお辞儀をした。



「生前」、それは俺がこの世界に存在したことを示し、

さらに、もう既にここでは亡くなっていることを示唆しさしていた。


ここで、真っ先に解決するべき疑問を思い出す。




   ─ここは一体どこなんだ?─




ルークは元執事だからなのだろうか、

こちらに友好的に接してくれ、

すぐにこの疑問にも答えてくれた。




ルーク「ここは384年のあかつき市でございます。」



柊真「グローバル歴の……でいいんだよな?」



ルーク「はい、もちろん。」



暁市というのは、

元々俺たちが住んでいた場所であり、

今は384年、

俺達の元居た時代は184年だからかなりの歳月が経っている。


これは非常に大切な情報だ。


そして答え終わるや否や、すぐにルークがまた口を開く。




ルーク「千華様もいらっしゃるのですね!


そしてそちらは……あぁ…」



ルークは何故か琉空の方へ向いて手を合わせる。


それが何を思っての事なのか、俺には到底とうてい、理解出来るはずもなかった。




千華「ルークさん、悪い人ではなさそうね。」



琉空「むしろいい人なんじゃないの?」



2人も俺も、知らない時代に来て、


一番最初に友好的に話しかけてきてくれたルークの存在がありがたく、

すっかり信用していた。




ルーク「御三方、行かれるあてもないでしょう。


あちらに私の家がございますから、


もしよろしければそちらでひとまずお休み下さい。」



もちろん、知らない時代、自分たちの住んでいた場所とはいえ、知らない風景。

行くあてなんてあるはずもなかった。



そうして3人での軽い話し合いの末、

ルークに着いていくことを決めた。



……と言うより、

ついて行く以外の選択肢がなかった。

_____________________

(第2話に続く…)

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