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9ー3 蜘蛛女

 9ー3 蜘蛛女


 エミリアさんは、わたしとライザ、それにジェイムズさんが揃うのを確認すると告げた。

 「行くわよ!ダンジョン『アルラウネ』へ!」

 といっても、どこにダンジョンなんてあるの?

 わたしは、颯爽と歩いていくエミリアさんの後をついて歩きながら周囲を見回していた。

 だが、右に広がる緑の草原。

 左に広がる緑の草原。

 というか。

 どこまでいっても草原しかないんですけど?

 マジかよ?

 この世界の人は、こういうときには信用できないんだよ!

 異常に足腰が丈夫だから、1キロや2キロなら、ほんの10メートルぐらいにしか思ってない。

 文明人のわたしからすれば信じられない!

 結局、ダンジョンの入り口である岩のモニュメント的なものまでたどり着く頃には夕方近くになっていた。

 いやいやいや!

 もう、帰ろうよ、エミリアさん!

 だが、すでにヨロヨロになっているのはわたしだけで、ライザもジェイムズさんもヤル気満々だ!

 「いい?トガー、ライザ!」

 エミリアさんが満面の笑顔で振り向く。

 「ここから先はこの世界であってこの世界ではない。この世界の常識は、ここで捨てていきなさい!」

 「はい!」

 ライザがいい返事をするが、わたしは、もう帰りたさ満載だ。

 もう、暗くなるし!

 帰ろうよ、エミリアさん!

 エミリアさんは、わたしのアイコンタクトを受け取ると頷く。

 「さすが、トガーね。これぐらいのダンジョンなら余裕なようね。でも、ダンジョンを舐めちゃダメよ!どんなダンジョンでも危険はあるのよ!」

 マジですか?

 「さあ!行くわよ、みんな!」

 逃げようとしているわたしの腕を引っ張ってエミリアさんがダンジョンへと踏み込んだ。

 一瞬、目の前が暗くなる。

 しばらくして暗闇に目が馴れると辺りがうっすらと見えてくる。

 そこは、なんとか銀山とかみたいな坑道の中だった。

 「ここが、ダンジョン・・・」

 ライザが辺りを見回した。

 「トガー、がんばろうね!」

 「うん・・・」

 わたしは、笑顔のライザの頭上にいるものを凝視していた。

 そこには、巨大な下半身が蜘蛛の美しい女がぶら下がっていた。

 蜘蛛女は、にたりと笑った。

 『ようこそ、ダンジョン『アルラウネ』へ』

 「ぎやあぁあぁっ!!」

  わたしは、思わず悲鳴をあげていた。

 

 

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