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8ー10 厨二病ですか?

 8ー10 厨二病ですか?


 ライザにも人並みの思い出があった方がいいに決まってるし。

 わたしは、仕方なくこの週末は、ライザと一緒にこのフェブリウス伯爵家のダンジョンに行くことにした。

  それから週末までの数日間、わたしとライザは、ダンジョン探索の準備に余念がなかった。

 まずは、防御のための魔法が織り込まれたマント。

 それに使いやすそうな短剣と魔法を込めた魔弾を撃つための拳銃。

 そうそう!

 あの、憧れのなんでも入るという収納カバンも必要だし!

 ジェイムズさんは、わたしたちの装備を用意してくれながらわたしたちに話した。

 「このフェブリウス伯爵家のダンジョンは、特殊なタイプのダンジョンですからね。何が起きても不思議ではありません」

 マジですか?

 「そんな危険なところにライザを連れていくのは止めた方がいいかな?」

 「大丈夫です。私もご一緒しますし、エミリア様も同行されますからね」

 ジェイムズさんは、きりっと背を伸ばした。

 ええっ?

 わたしは、首を傾げる。

 ジェイムズさんは、ともかくとしてなんでエミリアさん?

 わたしが不安げな表情を浮かべたのをみて、ライザが朗らかに笑った。

 「トガー、大丈夫だよ。ああみえてもエミリアおば様は、もと勇者パーティーの一員だった人だから」

 「その通りでございますよ」 

 ジェイムズさんが微笑む。

 「『竜殺しのエミリア』といえば泣く子も黙る女傑ですからね」

 『竜殺しのエミリア』ですと?

 わたしは、必死で込み上げてくる笑いを我慢していた。

 何?

 その厨二病的なネーミング!

 痛すぎるっ!

 「でも、このフェブリウス伯爵家のダンジョンは、そんな英雄に同行してもらうようなすごいダンジョンなわけ?」

 わたしが笑いを堪えながらきくと、ジェイムズさんが真顔で答えた。

 「旦那様のご命令でござますから」

 マジかよ!

 こうして急に心配性の保護者と化したご主人様の計画のもと、わたしとライザは、フェブリウス伯爵家の管理するダンジョンへと向かうことになったのだった。

 まあ、あくまで社会見学だけどな!

 

 

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