8ー7 それは、呪いですか?
8ー7 それは、呪いですか?
ダンジョンで手に入るドロップ品は、多岐にわたる。
それは、ポーションであったり、ときには、エリクサーと呼ばれる万能薬だったりする。
あるいは、ミスリルや、魔鉱のような鉱物。
塩や砂糖、それにさまざまな香辛料であったりもする。
「それだけじゃない。他にもちょっとした病にきく薬がドロップされるダンジョンもあれば、特殊な線維でできた衣類がドロップされるダンジョンだってある」
薬などのドロップされるダンジョンや香辛料などのドロップされるダンジョンは、商業ギルドの管理下におかれる。
アーティファクトと呼ばれる魔道具や、鉱物のドロップされるダンジョンは、工業ギルドが管理する。
そして、ごくめずらしいのだが、変わった野菜や、新種の植物や家畜、肥料やら農薬的な薬品だどがドロップされるダンジョンは農業ギルドが管理するらしい。
「さっきもいったがすべてのダンジョンのドロップ品は、冒険者ギルドを通して他のギルドへと振り分けられ、そして市場に流通する。冒険者ギルドは、冒険者とドロップ品を管理しているわけだ」
ライナス先生は、キョトンを通り越して愕然としているわたしに根気よく丁寧に説明してくれた。
「中には、まれにどのギルドにも所属しない無属性のダンジョンもあってそこでは、魔法の組み込まれた衣服や宝石などの変わり種のドロップ品が手に入れられる」
ライナス先生は、一瞬だけムッとした表情を浮かべたが、すぐにいつもの様子で話してくれる。
「そういった無属性のダンジョンでは、時折国宝級のドロップ品が手に入ることがある。だから、そういったダンジョンは、それぞれの領地の領主を通して王国が管理している」
「へぇー」
わたしは、ほえーっとライナス先生のことを見ていた。
「でも、なんで人間が普通に作ることができるものまでダンジョンで手に入れなくてはならないわけ?」
「その方が楽に手に入るだろう?」
ライナス先生は、特に関心もなさげに答えた。
「些末な日用品などのために生産力を無駄にしなくてすむようにという女神の愛なんだ」
女神の愛ですか?
わたしは、ちっと舌打ちした。
何が、女神の愛だよ?
人間が普通に生産できるものまで簡単にドロップとか言って与えているなんて愛なんかじゃないな。
それは、呪い、だ。




