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7ー7 そんな目でみるんじゃねぇっ!

 7ー7 そんな目でみるんじゃねぇっ!


 「こんなもんでいいですか?トガーさん」

 リックさんにきかれてわたしは、頷いた。

 そこは、薄暗い物置部屋を急遽片付けただけの埃っぽい部屋だった。

 壁際には、いくつかのテーブルと数脚の椅子が置かれていて、その前に歩行リハビリ用の平行棒があった。

 まだリハビリ用の部屋が完成しておらず、とりあえず今空いている部屋を使わせてもらうことにしたのだ。

 わたしは、平行棒の絵を描いて、これを造って欲しいとリックさんにお願いした。

 リックさんは、快く引き受けてさくさくと造ってくれた。

 わたしは、頑丈に作られたその歩行訓練用の器具に触れてみた。

 うん。

 これなら大丈夫だ。

 わたしは、目を閉じて心の中で思っていた。

 『この器具が多くの人々に力を与えてくれますように』

 クロネコのルぅがぴょんっと空中に飛び上がる。

 「精霊たちが、喜んでいる!」

 ぽうっと薄暗い部屋の中が明るくなり器具に精霊が宿るのをわたしは感じた。

 「なんてこった!」

 リックさんが平行棒を見るとあたあたと取り乱した。

 「この道具が精霊の祝福を受けるなんて!」

 リックさんは、わたしと平行棒を見比べながら呟く。

 「トガーさん、あんた、いったい」

 「しぃー!」

 わたしは、唇に指を1本押し当てた。

 「それ以上いわないで」

 「しかし」

 リックさんがまじまじとわたしを見つめた。

 「精霊を従わせることができるのは、聖女様だけのはず・・・」

 「だから!」

 わたしは、声をあらげた。

 「この世界には、聖女なんかいないんだって!」

 わたしの様子を伺っていたリックさんは、なにやら訳知り顔になり頷いた。

 「わかりました、トガーさん。もし、あなたが聖女だと知られれば、あなたは、こんな地方の治療院になどいられませんからね。下々の者から救っていこうというあなたのお気持ちは察しました。このことは、我々だけの秘密にしましょう」

 うん?

 わたしは、首を傾げた。  

 なんだろうな。

 なんか、誤解があるような気がするんだが。

 わたしは、リックさんの崇め奉るような視線から目をそらした。

 わたしをそんな目でみるんじゃねぇっ!

 

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