表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/196

7ー5 当たり前!

 7ー5 当たり前!


 相変わらずの熱々ぶりだな。

 この二人、才能がなければただのバカップルだな。

 わたしがはぁっと呆れてため息をつくとクラウスさんがわたしに告げた。

 「トガーに見て欲しかったのは、これからなんだ」

 はい?

 わたしは、きょとんとしていた。

 これ以上の何を見せてくれるというんですか?

 クラウスさんがルイーズさんとアイコンタクトをとる。

 「いよいよこの義足をアダプタと直接繋いでみることにする」

 「でも」

 わたしは訊ねた。

 「実際に義足を繋ぐのはまだ先になりそうだって言ってたじゃないか」

 「この人は、いつだってカエル飛びをやらかす天才なんだよ、トガー!」

 ルイーズさんはそう言うと義足からコードをはずしてそれをベッドに座っているクラウスさんの足元へと持っていく。

 クラウスさんは、慎重にアダプタと義足を繋げていった。

 「このアダプタにはスライムを加工したものを使用しているんだ。それを足の残された部分に装着する。そして、そのアダプタと義足を繋ぐことによって足が繋がるわけだ」

 「スライムを使っているからいちいち型をとらなくってもいいからね。いい案でしょ?トガー」

 ルイーズさんがクラウスさんの足に義足が繋がれていくのを見守りながら小声で囁く。

 「ほんとに、あんたの発想もすごいけど、クラウスはもっとすごいよ!実際にそれを造っちまうんだからね!」

 「本当に」

 わたしは、クラウスさんが義足を繋ぐのを息をつめて見つめていた。

 クラウスさんは、少しだけ緊張した様子でわたしに告げた。

 「これが、あんたの依頼で造った義足、だ」

 クラウスさんはそういうとゆっくりと指を動かした。

 最初は、少しづつ。

 そして、じょじょに大きくぐっぱぐっぱと足を動かして見せる。

 「動く!動くぞ!それに、感覚もある!」

 クラウスさんが興奮して叫んだ。

 「俺の足だ!ルイーズ!俺の足が戻ってきたんだ!」

 「ああ!間違いなく、あんたの足が動いてるよ!」

 クラウスさんは、嬉しそうに見つめているルイーズさんに微笑むと、足をずらしていってベッドのはしに腰かけた。

 そろそろと両足を床へとおろす。  

 「本当のテストは、これからだ!みててくれ、二人とも」

 クラウスさんは、ゆっくりとベッドの横にあるテーブルを掴んで立ち上がった。

 そして。

 よろよろとだったが彼は立ち上がり、歩き始めた。

 といっても1メートルほど先の車イスまで歩いただけだったが。

 車イスまで1人でたどり着いたクラウスさんは満面の笑みを浮かべてわたしたちを振り向いた。

 「どうだ?トガー」

 「すごい、すごいよ!あんたは、間違いなく天才だな!」

 わたしが言うとルイーズさんが応じた。

 「当たり前!あたしの旦那なんだからね!」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ