7ー5 当たり前!
7ー5 当たり前!
相変わらずの熱々ぶりだな。
この二人、才能がなければただのバカップルだな。
わたしがはぁっと呆れてため息をつくとクラウスさんがわたしに告げた。
「トガーに見て欲しかったのは、これからなんだ」
はい?
わたしは、きょとんとしていた。
これ以上の何を見せてくれるというんですか?
クラウスさんがルイーズさんとアイコンタクトをとる。
「いよいよこの義足をアダプタと直接繋いでみることにする」
「でも」
わたしは訊ねた。
「実際に義足を繋ぐのはまだ先になりそうだって言ってたじゃないか」
「この人は、いつだってカエル飛びをやらかす天才なんだよ、トガー!」
ルイーズさんはそう言うと義足からコードをはずしてそれをベッドに座っているクラウスさんの足元へと持っていく。
クラウスさんは、慎重にアダプタと義足を繋げていった。
「このアダプタにはスライムを加工したものを使用しているんだ。それを足の残された部分に装着する。そして、そのアダプタと義足を繋ぐことによって足が繋がるわけだ」
「スライムを使っているからいちいち型をとらなくってもいいからね。いい案でしょ?トガー」
ルイーズさんがクラウスさんの足に義足が繋がれていくのを見守りながら小声で囁く。
「ほんとに、あんたの発想もすごいけど、クラウスはもっとすごいよ!実際にそれを造っちまうんだからね!」
「本当に」
わたしは、クラウスさんが義足を繋ぐのを息をつめて見つめていた。
クラウスさんは、少しだけ緊張した様子でわたしに告げた。
「これが、あんたの依頼で造った義足、だ」
クラウスさんはそういうとゆっくりと指を動かした。
最初は、少しづつ。
そして、じょじょに大きくぐっぱぐっぱと足を動かして見せる。
「動く!動くぞ!それに、感覚もある!」
クラウスさんが興奮して叫んだ。
「俺の足だ!ルイーズ!俺の足が戻ってきたんだ!」
「ああ!間違いなく、あんたの足が動いてるよ!」
クラウスさんは、嬉しそうに見つめているルイーズさんに微笑むと、足をずらしていってベッドのはしに腰かけた。
そろそろと両足を床へとおろす。
「本当のテストは、これからだ!みててくれ、二人とも」
クラウスさんは、ゆっくりとベッドの横にあるテーブルを掴んで立ち上がった。
そして。
よろよろとだったが彼は立ち上がり、歩き始めた。
といっても1メートルほど先の車イスまで歩いただけだったが。
車イスまで1人でたどり着いたクラウスさんは満面の笑みを浮かべてわたしたちを振り向いた。
「どうだ?トガー」
「すごい、すごいよ!あんたは、間違いなく天才だな!」
わたしが言うとルイーズさんが応じた。
「当たり前!あたしの旦那なんだからね!」




