7ー2 忖度してるの?
7ー2 忖度してるの?
リックさんの部下たちの中には、獣人も多かった。
彼らは、頑強な肉体を持ちしかもよく働く。
そのほとんどは奴隷だったがな。
彼らは、獣人というだけあってそれぞれが動物のパワーを持っていたが、中には、汗をかくことができない種族もいた。
そのせいか、彼らは、暑さに弱かった。
わたしたちが冷えたスイカを持っていくとリックさんは、職人たちに休憩をとらせることにした。
職人さんたちは、わたしたちが持っていったスイカにわらわらとむらがってきた。
「なんです?これは」
最初、みないぶかしがっていたが、リックさんがスイカを一切れとって食べるのを見るとみな、我先にとスイカを食べ始めた。
「うんめぇ!」
「ヒヤッこいな!」
このスイカを冷やすときにほんの少しだけ精霊さんにお願いしただけなんだが、スイカは、取り出した時には凍てつきかけていた。
マジですか?
精霊さんって、どんだけ?
スイカは、たっぷりあったので職人さんたちに提供した後の残りは、大皿にのせて治療院の職員さんたちにも配ることにした。
もちろん、利用者さんたちにも食事の後のデザートとして提供した。
このスイカのすごいところは、ただ体温を下げるということだけじゃなかった。
甘いのに、なんだかしょっぱくって、まるでスポーツ飲料のような味がしていた。
わたしは、このスイカでサラさんにスムージーを作ってもらってそれを水筒に入れて持参していた。
精霊さんの祝福を受けたスイカのスムージーは、いつまでたっても冷たいままでおいしかった。
しかし、こう暑くてはやっていられないな!
だが、この治療院全体を涼しく暮らしやすくするには一個師団の氷魔法使いが必要だ。
とてもじゃないがそんな余裕は、ない。
わたしは、試しに人目を盗んでこの治療院の中心当たりにいってそこで目を閉じてそっと心の中で精霊さんにお願いした。
『精霊さん、お願いしますぅ。この建物の中を過ごしやすい温度にしてくださいっ!』
その瞬間。
どこからかすぅっと涼しい風が吹いてきたかと思うと建物の中にふわふわと白いものが舞った。
あれは?
もしかしてと思うけど、雪ですか?
わたしは、頭を振った。
「んなわけが」
あったのだ!
なんかわからんが、すごく涼しくなってきたし。
というか寒いぐらい?




