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聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~  作者: トモモト ヨシユキ
5 資金集めにがんばります!
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5ー1 自由になりたい!

 5ー1 自由になりたい!


 夏が来た。

 この世界の夏は、ミドリアジという鳥が連れてくるのだとわたしに言ったのはライザだった。

 「ミドリアジは、遠い海を越えてこのグレングルド王国へとやってくるのよ、トガー」

 ライザは、屋敷の裏庭の隅にあるあずまやでジェイムズさんの入れてくれたお茶をわたしと一緒にいただきながらそのお話をきかせてくれた。

 「そして、夏の間、このグレングルドでたっぷりと越え太ってかわいい子供たちを育ててから冬が来ると南の海へと帰っていくの」

 「へぇー」

 わたしは、気のない返事をしていた。

 トリさんのことなんかより今のわたしには、心配なことがいっぱいあった。

 まずは、ご主人様のこと。

 というのもいつものように朝のケアをしていたら突然入ってきたエミリアさんにご主人様の部屋から追い出されてしまったのだ。

 そのあとは、エミリアさんとご主人様の言い争うようなわぁわぁいう声が聞こえていたが、わたしは、あえて様子をうかがいに行くこともなかったし。

 わたしは、ちょうどいい機会だったのでジェイムズさんに頼んでほんとの自分のための休暇をもらうことにした。

 というかさ!

 この世界に来てからというもの、いろいろと忙しくってのんびりと昼寝もできてないんだよ!

 だから、ご主人様には悪いけどエミリアさんが代わってくれるというのなら遠慮せずに休暇をとらせてもらうことにしたのだ。

 だけど、せっかくいい方向に変化が起き出したのに、と思うと少し気にはなる。

 それから、ライナス先生と約束した治療院のための資金集めのこともあった。

 いったいどうすれば手っ取り早く金を集められるのか?

 わたしは、お茶を飲みながら深いため息をついた。

 「何か、お悩みでしょうか?トガー様」

 ジェイムズさんにきかれてわたしは、遠い目をした。

 「いや。どこまで行っても人間って自由にはなれないな、と思ってさ」

 「自由になりたいのですか?私などから見れば、あなたは、十分に自由に生きておられるように思いますが」

 ジェイムズさんに言われて、もっともだなとわたしは、微笑んだ。

 確かに。

 わたしは、勝手気儘に生きている。

 それは、わたしが責任を追わない人生を選んできたからだ。

 結婚もせず、子供も持たない。

 持てば得られる幸せもあるのだろうが、持つことによって背負わなくてはならないこともたくさんあるからな。

 

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