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4ー3 彼らを救わなければ!

 4ー3 彼らを救わなければ!


 「ここは、なんなんですか!」

 わたしは、声をあげた。

 「あれは・・・あの人たちは、なんなんですか!」

 わたしは、怒りを抑えられなかった。

 ここは、悪夢を閉じ込めた場所だ!

 そして、わたしには、何もできない。

 「落ち着いて、トガー」

 ライナス先生がわたしの背に両手を回して抱き寄せた。

 わたしは、彼に抱き締められても、叫ぶのをやめなかった。

 「ここは、地獄、だ!」

 「そうだ。地獄だ」

 ライナス先生は、わたしを抱き締めたまま囁いた。

 わたしは、いつの間にか泣いていた。

 それでも叫ぶのをやめようとしないわたしにライナス先生は、唇を重ねてきた。

 なんですと?

 一瞬にしてわたしの頭は真っ白になって、わたしは、黙り込んだ。

 信じられない!

 こんなときにこんなことするなんて!

 「トガー」

 ライナス先生は、もう一度わたしに口付けるとわたしを抱いて囁く。

 「忘れるんだ。もう、ここに来てはいけない」

 「冗談じゃねぇし!」

 わたしは、ライナス先生のことを突き放した。

 「何、キスでごまかそうとしてんだよ!わたしを舐めるな!もう、こんなので黙るようなガキじゃねぇんだっつうの!」

 「トガー」

 ライナス先生は、わたしの手をとると優しく告げた。

 「どうか、きいてほしい。わたしと結婚を前提に付き合ってほしい」

 「はい?」

 わたしは、突然の展開にハトマメで彼の顔を見上げる。

 ライナス先生は、優しく囁いた。

 「君は、優しくて賢い人だ。この世界にはもったいないような聖女だ。わたしは、君のことが好ましい。この世界の全てから守ってあげたくなる人だ」

 「はぁっ?」

 わたしは、ぽっかんとしていたが、すぐに答えた。

 「だから、わたしは、聖女なんかじゃないってば!」

 「でも、君は、そう呼ばれるのに相応しい。君の考え出したものは、この世界を変えることだろう」

 いや。

 わたしは、気まずい思いを味わっていた。

 車椅子は、わたしが考えたわけじゃねぇし。

 他のことだって。

 全ては、もといた世界のものだ。

 わたし自身は、まだ何もしていないし!

 わたしは、ライナス先生に微笑みかけた。

 「お断りします。だって、わたしは、この世界を変えたいから」

 「トガー?」

 「わたしは、おばさんだし、外見も並みのモブだし、性格は悪いし」

 わたしは、ライナス先生に告げた。

 「どこもいいとこないですけど、わかることがある」

 わたしは、ライナス先生を睨み付けた。

 「ここにいる人たちを救わなければ、わたしは、二度と安眠できなくなる。わたしは、普通の人間だから。これからの人生を楽しみたければ彼らを救わなくては!」


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