3ー12 ざまあみろ!
3ー12 ざまあみろ!
「トガーさん?」
ライナス先生がわたしを見てぎょっとする。
はい?
わたしは、立ち上がるとペコリンとお辞儀をした。
「こんにちは、ライナス先生」
「いらしていたんですか?トガーさん」
ライナス先生は、ちょっとどころじゃなく焦った様子だった。
「まさか、来てくれるとは思っていなくって」
はぁっ?
わたしは、ぽっかんとしていた。
そっちが誘ったんだろうが!
まあ、来ることを伝えてなかったのは、こっちが落ち度があるしな。
でも、この世界には、スマホとかないし。
「ちょっとこっちに用があったのでついでに寄らせていただきました」
わたしは、ちらっとライナス先生の方を伺った。
「迷惑でしたか?」
「いいえ!」
ライナス先生が慌てて否定する。
「そんなことは、まったくないです。きてくださって嬉しいです」
ライナス先生は、すぐにデスクの上に置かれていた呼び鈴を鳴らした。
「ところでこの辺に用って?」
「実は、お仕えしているご主人様の散歩がてら伺ったんです」
わたしが答えるとライナス先生が頷いた。
「そうですか。いい季節になりましたからね。あなたと散歩ができるなんてご主人が羨ましいな」
はい?
わたしは、ほけっとライナス先生の方を見た。
羨ましいですと?
「こんなおばさんと散歩しても嬉しくないでしょ?」
「いいえ、そんなことはないです!」
ライナス先生が力説した。
「その辺の若い人と話をするよりトガーさんと話をする方がずっと価値がある。それに」
ライナス先生が何かいいかけたときにドアが開いてあの女がお茶を持ってやって来た。
黙ってわたしの前のテーブルに2人ぶんのカップを置くとすっとお辞儀する。
「どうぞ、召し上がってください」
女は、茶菓子を置くとじろりとわたしを睨んだ。
もしかして、この人、ライナス先生の恋人かなんかなわけ?
それで近づいてくる悪い虫を追い払おうとしてるのか?
わたしは、女を睨み返した。
「ライナス先生に手紙をいただいて、本当はすぐに来たかったんですが、お天気が悪かったのでなかなか屋敷から出られなくて。でも、ライナス先生にお会いできて嬉しいですぅ!」
にっと笑ったわたしを見て、女がちっと舌打ちした。
なんか知らんがざまあみろ!




