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2ー11 今でしょ!

 2ー11 今でしょ!


 「だから」

 わたしは、腕のように切断面と人工の腕の筋肉部分との間を繋ぐように線を書き込んでいった。

 「ここを繋いで本物の腕のように筋肉部分を動かせるような魔道具を造るんです!」

 「マジかよ」

 わたしの話を黙ってきいていたクラウスさんが真剣な表情をして頷いた。

 「確かに難しいけど、出来るかもしれない」

 「本当か?クラウス。そんなものが造れるのか?」

 ギルド長に訊ねられてクラウスさんがにやっと笑った。

 「たぶん」

 クラウスさんがわたしにきいた。

 「要するにトガーがいいたいのは、精巧に造られた偽物の腕と腕を失った人の腕を繋ぐってことだよな?」

 「うーん」

 わたしは、呻いた。

 「少し違うような」

 わたしは、大まかな人体解剖図を示して説明する。

 「人の腕や足にはこう動かしたいという思いを伝える神経と呼ばれる繊維が通っててそれで筋肉が動いているんだけど、それを人工的に作り出した腕と繋げたいんだよ。神経を流れる電流のようなものを人工の腕に伝えて人工の筋肉を動かせるようにしたいんだよ」

 「神経、ですか?」

 ライナス先生が頭を抱える。

 「それは、いったい何なんですか?」

 「わかってきたぞ!」

 クラウスさんが興奮を押さえられない様子でテーブルに身を乗り出した。

 「自分の腕と同じような仕組みを造ってそこに意志が伝わる様にすればいいってことだよな?」

 「そんなことができるのか?クラウス」

 ギルド長の問いかけにクラウスさんは、力強く頷いた。

 「できます!この俺が、造って見せますよ、ギルド長!」

 クラウスさんは、ルイーズさんに偉そうに命じた。

 「すぐにここの工房に連れて行ってくれ!図面をひきたい」

 「あいよ!」

 ルイーズさんがクラウスさんの乗った車椅子を押して工業ギルドの奥に続く扉へと向かおうとするのでわたしは、慌てて2人を止めようとした。

 「そんな急に仕事に復帰って!大丈夫なわけ?ムリしたらだめだって」

 「ああ?」

 クラウスさんがキラキラ輝く水色の瞳でわたしを見つめる。

 「今やらなくて、いつやるんだよ?」

 今でしょ、ってか?

 でも、しかし、この前まで病人みたいな生活をしてたんでしょうが!

 するとライナス先生がぽん、とわたしの肩を叩いた。

 「ここは、やらしてやってほしい。というかやらせてやれ!」

 「はい?」

 「今まで失った手足の代わりを造るという案はなかったわけじゃない。だけどそれは、飾りとしてのものだ。まさか、本当に動くように出来るなんてこと、思いもしなかったよ!」

 ライナス先生がが熱い視線でわたしをじっと見つめてくる。

 イケメンの破壊力、ハンパないな!

 「もしこれが本当に完成したら、救われる人々がたくさんいるんだよ?トガーさん」

 彼は、わたしの肩を掴んで力説する。

 わわっ!

 顔近すぎ!

 

 

 

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