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2ー8 紳士ですよね?

 2ー8 紳士ですよね?


 「これは、奇跡だよ!」

 クラウスさんの隣で飲んでいた彼の友人らしき男が言ったので、わたしは、小首を傾げた。

 「いや、当然のことだよね?」

 「いや、普通は、あり得ないことだよ、トガーさん」

 その男は、告げた。

 「普通は、足を失えばもう人生は終わったのと同じだ」

 はい?

 わたしは、訊ねた。

 「この世界には、失くなった腕や足を補うものはないわけ?」

 「どういうことだ?」

 男は、奇妙な表情を浮かべた。

 「手や足を失えば、普通は、死ぬまで家族のお荷物になるもんだ。それを補うものなんてありゃしないさ」

 マジか?

 「じゃあ、義手とか義足はないの?」

 わたしがきくとみな変な顔をした。

 「ぎしゅ?ぎそく?なんだそれは?」

 「えっと、それは」

 クラウスさんにきかれてわたしは、口ごもった。

 わたしがどう説明したらいいのか頭を悩ましていると背後から誰かが声をかけてきた。

 「トガーさん?」

 「はひっ!?」

 驚いて飛び上がったわたしが後ろを振り返るとそこには、小柄な若い、というよりも幼い栗色の髪をおさげにしている女の子と背の高い銀髪に青い瞳をした若い男が立っていた。

 「初めまして、この工業ギルドのギルド長をしているドワーフのリリィだ。こちらは」

 小柄な女の子は、隣に立っている銀髪の男を指し示した。

 「この町と隣のオーキッド領の治療院の院長をしているライナス先生だ」

 「ライナス・フェン・オーキッドと申します。よろしく、トガーさん」

 ライナス先生は、なんか身なりもいいし口調も丁寧なイケメン紳士だ。

 たぶん、いいところのおぼっちゃまなんだろうな、とわたしは思っていた。

 「トガーです。よろしく」

 わたしがペコリンとお辞儀をするとライナス先生は、いきなりわたしの手を握って口づけした。

 はいぃっ!?

 硬直しているわたしにライナス先生は告げた。

 「あなたがこの素晴らしい道具を発明されたのですね!本当に心からあなたと神に感謝を!」

 イケメンに手を握られたままわたしがフリーズしているとライナス先生がはっと気づいてぽぅっと頬を赤らめる。

 「失礼しました。ちょっと興奮していたもので。いきなり許可もなくレディの手をとったりしてすみません」

 

 

 

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