9ー6 ドロップ品
9ー6 ドロップ品
「エミリアおば様!」
ライザが悲鳴をあげる。
「危ない!」
ドラゴンがぶんっと前足を振り上げるとそれでエミリアさんのことを吹き飛ばした。
「ぐあっ!」
「おば様!」
「エミリア様!」
ジェイムズさんとライザが壁に激突したエミリアさんのもとへと駆け出す。
『さあ!もうあきらめて、言うことをききなさいな!カピール』
ドラゴンが呼び掛けるがプルプルと震えているカピールは、泣き叫んだ。
『イヤだよぉ!おいら、絶対に聖女様の使い魔になんてなりたくないし!』
わたしは、ドラゴンに呼び掛けた。
「もう、止めときなって!怖がってるじゃね?」
『でも、カピールが聖女様の使い魔にならないとこのダンジョンが聖女様のものにはならないし』
ドラゴンが応じた。
『アラウネたちが聖女様は、このダンジョンをお望みだって』
アラウネ?
誰それ?
わたしの目の前に急に蜘蛛女が現れた。
『お呼びになりましたか?聖女様』
「やっぱ、お前たちか!」
わたしは、声をあらげた。
「もう、こんなこと、やめだって!撤収!」
わたしは、そう言うとカピールを抱いたまま壁に持たれているエミリアさんのもとへと向かった。
「エミリアさん!」
背後からドラゴンの声がきこえた。
『マジですか?どうします?アラウネ』
『仕方がないですわね』
蜘蛛女がちっと舌打ちした。
『まったく、根性のない!』
根性って!
ちょっとした社会見学のつもりだっただけだし!
『まあ、こられた以上は、そのまま帰らせるわけにはいかないですわね』
蝶娘がうーん、と唸った。
『では、こうしましょう!』
わたしは、エミリアさんの落とした槍を手にとらされた。
「では、失礼します」
わたしは、それを構えると思いっきりドラゴンのお尻を叩いた。
「でぇりゃあぁあっ!」
『ああっ!』
ドラゴンがばたりと倒れる。
『やられたぁっ!』
ポンっと音がしてドラゴンの姿が消えると代わりにそこには、黒く輝く鉱石が現れた。
「すごい!トガーが竜を倒した?」
ライザが声をあげた。
続いて、わたしは突然現れた蜘蛛女を槍でつついた。
「ええぃっ!」
『やられたぁっっ!』
ボン、と音がして蜘蛛女が姿を消したかと思うと、今度は、青い美しいドレスとガラスの靴が転がっていた。
「何?これ」
『もちろん、ドロップ品ですわ』
耳元でそっと蜘蛛女が囁いた。
『ドレスは、万人を魅了する魔力を持ったものですし、ガラスの靴はどんなにダンスが苦手でも美しいステップが踏めるという魔道具です』




