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私、鬼ごっこの鬼はもうやめる

作者: るんば

自分にとっての恋愛には2種類あると思う。追われる恋愛と追いかける恋愛。わたしは後者だ。後者の恋愛はまるで終わりのない鬼ごっこのようだ。そう考えたのはわたしが大学3年生になりたての春のことだった。


 「あーだるい。」

もう気づいたら外は暑くなっていた。家からも出ず、ずっとゴロゴロ寝て食べての生活。

そんな中でわたしの唯一の楽しみは、友達(以下インコ)とのLINEだった。

インコには好きな人がいる。それも近いけど遠いそんな存在だ。共通点が多かったわたしたちはすごく会話が弾んだ。

ただ一つだけ問題があった。それは、インコの好きな人(以下メガネ)には彼女がいた。


「彼女がいるのになんでご飯に誘うの?」 「わたしのこと気になってるからかな?」


誰もが一度は思ったことがある疑問なのではないか、そんな疑問がインコにもあった。

だが、誘われて嬉しい自分もいる反面ずっとこのままでいいのか、キープなんじゃないか、そんな自分との葛藤だった。けれど、やはり好きな人に誘われることは嬉しいことでウキウキ約束の日を待っていた。


 ある日の夜、突然の通知音。どうせ〇〇だろうと思いケータイを閉じる。そんな時目に入った「まさひろ」という文字。インコは唖然とした。

「まさひろ、なつかしくね?」

インコからのメッセージ。

まさひろ、、、、、。

気づいたらわたしは深い眠りに落ちていた、夢の中では「まさひろ」との出会いを思い出していたーーーーーーー。


 大学2年冬。わたしとインコはとある演奏会のリハーサルと本番にきていた。4日間に渡るこの演奏会はとても気が重かった。そんな時、私たちの座る目の前に、 スラッとしていて茶髪の男がマイクのセッティングをしていた。わたしたちは目を合わせた。

(イケメンじゃね????)

歳も近かったため、仲良くなるまでにそう時間はかからなかった。

「連絡先交換しよ?」

最終日に言われた言葉。わたしたちは交換した、その後も連絡は取っていたが次第にとだえてしまった。


はっ!!!わたしは目覚めた。なんだ夢か。そんなこともあったな。ケータイを開く。1通のライン。インコからだった。

どうやらまさひろと息があったらしい。かなりの展開だった。付き合えばいいとわたしは思った。

だが、インコにはメガネという気がかりがあった。そう、食事にまだ行っていないからだ。まさひろと付き合えば、疲れない。けれどメガネのことも忘れられない。鬼ごっこ楽しいから。彼女はどちらを選ぶのか。


インコは決意した。

「わたし鬼ごっこの鬼はもうやめる」


わたしは目を瞑った。そこに見えたのは、草原で鬼ごっこしているインコとメガネではなく、背丈の違う2人が手を取り合い微笑んでいる姿だった。




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