魔法陣と一緒
ある日足元が明るいと思ったら、魔方陣があった。
「…………まじか。」
すぐに呼ばれる様子はないので、普通に学校に行って授業を受けた。
変な目で見られまくった。
「それどうしたん?笑笑」
と聞いてくる人もいたし、
「いいい異世界召喚じゃないすか!?一緒に連れてってくれませんか!!!??」
と荒ぶる奴もいた。
面倒くさくて 全部の質問に
「わからん」
と答えておいた。
家に帰ると、珍しく父がいた。
「……………どうしたんだ、それ」
珍しく心配してくれている。
インフルエンザと感染性胃腸炎に同時にかかったときでもこんなに心配はしてくれなかった。
「大丈夫だよ、異世界に呼ばれるだけだから。」
「説明がおかしくないか?」
父がおかしい。
私の話につっこんでくれた。
毎日ボケてみていたのにこんなことでつっこんでくれるなんて、おかしすぎる。
「何か光が強くなってるけど大丈夫か?」
言われて気付く。
確かに強くなってきている。
「母さんを守れなかったんだ、今回こそ守る!」
と言って父が私を突き飛ばした。
魔方陣の中には、父がいる。
しゅぽわぃん、という感じの音と共に父はこの世を去った。
…違った。
この世界を去り、異世界へと旅立った。
私のおやつのプリン(30個)と共に。
父が袋に入ったプリンを持っていたことは私にはお見通しだ。
「最近帰りが遅いからプリン天国を味わおうと思ってたのに。」
声に出してみるけど、父はいないので答える人はいない。
色々面倒くさくなってきたから寝た。
次の日、寝癖がひどかった。