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プロローグ

新作になります。ひとまず三話投稿。

面白ければ、評価、ブックマークよろしくお願いします。

 険しく木々すら中々育つことの無い山々に囲まれた異世界、ローレライ。

その中心に鎮座する砂漠と、砂漠の北には、これまた広大な森が鬱蒼と繁っていた。


 ローレライはエルフと獣人とドワーフ、そして人間が混在する世界。封建制度のグランツ王国と、皇帝独裁のレイン帝国の二大国家を中心に、数個の小国とで構成されている。


 ローレライに住む人々は、百五十年周期で復活する魔王に苦しめられてきた。


 賢者曰く、魔王アドメラルクは魔族と魔物を束ねて何度も甦る。


 しかし、過去の文献や言い伝えから、人々には希望があった。

 

 それは、魔王が復活する度に現れる勇者の存在。


 前回倒されてから百四十三年後の現在。

 再び魔王復活の兆しが見え始めた頃、グランツ王国の御抱え預言者ノインによって勇者が現れたとの知らせが、世界中に広まった。


 人々は歓喜する。

 ローレライ最大の国家であるグランツ王国は、両手(もろて)を挙げて喜び、現れた勇者に多くの財宝と幾代か前の勇者が使った剣を与えた。


 一方、グランツ王国と肩を並べるレイン帝国は、勇者(あらわ)るの知らせを聞き、負けじと異世界からの転移の儀式を敢行する。


 しかし、残念ながら転移は失敗に終わる。

 唯一転移者らしき少年を確保したが、転移の際に得られる筈のスキルが余りにも戦闘に不向きであったため、今回の魔王討伐には消極的な姿勢に移行する。


 現れた勇者は貴族の三男坊で、自分より下級貴族から二人仲間を引き連れ、魔王が復活するまでの間、魔王討伐の訓練の旅に出た。

 元々貴族である勇者は剣などほとんど扱い慣れておらず、魔法も大して使えない。


 訓練を積んでも強くなった気がせず、途方に暮れた勇者は、ある情報を聞きつける。


──グランツ王国とレイン帝国の間の森に、前回の勇者パーティーの大賢者が住んでいる──と。


 朗報。藁をも掴む思いで、すぐさま向かった勇者は、大賢者から突き付けられた条件を呑み、仲間に入れる事に成功した。


 一方、転移者の少年は、一時(いっとき)はレイン帝国皇帝の側近に囲われたが、その側近が降格すると少年は冒険者ギルドに所属し、誘いを受けた仲間とパーティーを組んだ。



 魔王復活まで、あと残り一年足らず。


 果たして勇者は魔王を倒せるのか?



 これは勇者に誘われた大賢者と、成長し青年となった転移者の出会いから始まる物語である。



 魔王? 勇者? 二人にとっては、別に大したことではない。



 そう。二人はただ、静かに暮らしたいだけなのだ。



「アカツキ、アカツキ! 今日は“ほっとけ~き”が食べたいのじゃ」

「はいはい、すぐ作ってあげますから食器を並べてくださいね」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 険しく木々すら中々育つことの無い山々に囲まれた異世界、ローレライ。 この異世界って表現だと他に異ならない世界があるように感じてしまいます。 転生者モノすか?
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