pecoさまから「もっさいおっさんと眼鏡女子」SSとFA!
作品に対してSSを頂いたのはpecoさまが初めてでした。
「もっさいおっさんと眼鏡女子」という作品を読んで書いて下さり、pecoさまは私が寝入った晩に送って下さっていました。
翌日、朝起きてなろうを見たら……ご近所迷惑をかえりみず、音の漏れない部屋でピアノの蓋に向かって叫んだのを覚えています。
最初直視出来なくて何度もスマホの開け閉めしながら読みました。
そんなSS、良かったら。ご一緒に。
※※※
「だから、いつもいつも何で急にそういう事するんですか!」
このこのこの、という言葉が聞こえてきそうな様子で、顔を真っ赤にした白井が俺の肩を殴ってくる。
まぁほっそい手だから、痛くも痒くもないんだが。
「お前が悪い」
「だから何で!?」
いつもの返しをすると、野暮ったい黒縁メガネにお下げ頭という今時そっちの方が目立つんじゃねーかと思うような格好をした白井が、納得いかなそうに唇を尖らせた。
そう、その唇。
下唇がふっくらとしていて、小さなその口がどうしようもなく俺の目を引きつける。
はっきり言おう。
これが色香というものだ。
白井の自覚どころか、気付いている奴自体が少ないが、この唇は男を惑わせる。
グラビアでポーズを撮らせれば間違いなく売れる。
清純な女性が、魅惑的な唇を軽く開いて物欲しげな顔をしている様は、それが写真を乗せた紙である事を呪う程に魅惑的だろう。
そこから、美しい歯列や少し尖った舌が覗いていようものなら……。
「って、また! またですか!」
「別に誰も見てないだろう」
冬場の平日、緑地公園。
それも遊具も何もない一角だ。
そこにある遊歩道から少し外れたベンチに腰掛けて少し話す。
普段は人を見るために人通りの多い駅前に、白井は眼鏡お下げ、俺は浮浪者のような帽子に近所のおっさんにしか見えないような格好をして、座っていたりするが。
デートの時にまでそんな事をするつもりはさらさらなかった。
観察するのは、白井の唇だけで十分だ。
「見てないとかそういう問題じゃなくてー……」
ぶつぶつと白井が言うのに、俺はふっと笑った。
俺は芸人だ。
そこそこ顔が売れていて、仕事も食えるくらいには貰っている。
白井は売れないアイドル。そろそろバラドルか女優への転向に無言の圧力を掛けられている。
本人は、出会った時には真面目に大検を取る事を考えて勉強していた。
褒めたつもりが機嫌を損ねて慌てたものだ。
俺を慌てさせる奴など、今は業界にも然程いないというのに。
20も年が離れているが、好きだと思ってしまえば止まれなかった。
仕事に贔屓はしない。
付き合っている事すら、お互いの事務所のトップしか知らない。
白井に下心などないだろう。
そもそも、アタックしたのは俺だ。
「白井」
「なんですか!」
膨れて、黒眼鏡の下から睨んでくる白井の手を握り、素直で可愛い彼女の耳に、俺は囁いた。
「愛している」
その後、実に可愛い反応を見せてくれた白井の魅惑的な唇を、何度も奪ってしまい。
その度に怒らせる事すら、今は楽しい。
※※※
………っ
(………改めて読んで悶絶中)
こ、こほん。。。
後ほどお願いしてpecoさまのかっぽうに掲載された時にはFA付きで、さらに悶絶と叫び。
金山はもちろんの事、白井が……
身長差から何からものすごく近く、何ともはや……心眼をお持ちの方です……
pecoさま、ありがとうございました。