1話
「────やめろっ! だめだっ! それ以上はっ!! 止めてくれえぇぇ!!!」
「ヘヘッ、悪いなぁ、ガキンチョぉ止めれられないわぁ」
ブツンッ
「うわああああああ!!」
────ああ、また、この夢か
▲
「――?」
「――――、起きろ〜終わりそうだぞー」
「......んん、そうか、今日、入学式か」
隣の男子に起こされながら俺は起きた
「――、えーでは、つまらない話はここまでにして、皆さん、自分の教室に行きましょう。かいさーん」
ざわざわざわざわ
「ねぇねぇ、君は何組?」
起こしてくれた男子が話しかけてくる
「んー、わかんねぇ」
「えっ?......やばくね?」
「......やばいな、どしよ?」
「......先生に聞く?」
「ん、そだな。......おーい、桐谷せんせー、俺は何組ー?」
近くに居た先生に話しかけた
「ん? お前か、確か......1組だ、早くいけよ」
「あざーっす」
「1組だってよ」
「......あの先生知ってたの?」
「ん?そうだよ、だって俺、リアルファンタジーの被害者だからな」
「え゛っ!? アレのっ!?......災難だったね」
「ああ、そんなことより早く行こうぜ、お前何組?」
「い、1組だよ。同じだね」
「よしっ、みんないるな。おはよう、私は桐谷だ。君たちの担任になったのでよろしくな。さっそくだが、君たちには自己紹介してもらう。名前と部活と何か好きなものでも言ってやってくれ。1番のお前から言ってくれ」
「はい! 僕は碧梧遊馬、部活は剣道で、好きなものはお菓子です! よろしくね!」
俺を起こしたやつは遊馬って言うのか、覚えとくか......後は寝よう
「――、――、おい! 起きろっ!」
「......ん、なに?」
「お前の番だよっ、早くしろよ」
俺の後ろの坊主が椅子を蹴りながら起こしてくる
「眠いなぁ、えっと、俺は『ピカッ』??」
坊主が椅子からコケそうになった
「ん!? なんだよ! 誰だフラッシュ炊いたの!?」
後ろの坊主が喚いている
「はぁ? お前じゃねーのかよっ!? 後ろから光ったように見えたぞ!?」
違う男子が坊主に食ってかかる
「は? ちげーし、俺じゃないわ!」
「ハイハイ、そこまで。誰ですかー? 今はケータイは触っちゃ行けませんよー?」
先生が手を叩きながら周りに声をかける
────『はーい、僕でーす。こーんにーちはー』
(ん? 頭から聞こえる? 外からは聞こえないぞぉ? んん??)
『この声は直接頭に流してるのでぇ、君たち以外にはぁ、聞こえていませーん。このクラスにのみぃ聞こえていまーす』
間延びした声が頭に響く
「誰ですかー? こんなイタズラしたのは? 止めてください」
先生が少し怒った口調でクラスに呼びかける
『あ、信じられていない......、仕方ないですね。では、ドアを開けてみてください。開かないはずですよぉ?』
「そんなはずありません。このドアは内側からも鍵をかけれますし、そもそも音がしませんでしたよ」
先生は文句をいいながらドアを開けられる
────はずだった
「えっ? 開かない? えっ? 出しなさい!! こんなことしていいと思ってるの!?」
先生はドアを叩きながら言う
『いやー、それは僕のせいじゃないんだよぉ、君たちは今からぁ異世界に行くんだけどぉ、そのせいで、ここの空間が固定されたんだよぉ?だから開かないんだ。君たちがそのまま行ってもぉすぐにぃ死んじゃうからぁ、君たちの才能の開花をぉ手伝ってあげてからあっちに飛ばすんだよぉ。優しいねっ(キリッ)』
(((キリッ)じゃねーよ)))
みんなの意見が合った瞬間だった