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公爵令嬢の猫耳参謀 シリーズ

僕も愛しい人と婚約を

作者: 青空 杏奈

登場人物の名前は、一切出てきません。


青い瞳の少年による、一人称形式で、物語は進行します。

主役が少年のため、口調が荒いときも多々あります。

ご注意ください。


 昔の夢を見た。懐かしい夢。

 きっと寝る前に、今後のことや、家族や婚約者の事を考えていたからだろな。

 

 *****



 艶やかな黒髪を自慢していた姉御が、婚約破棄すると言い放った。

 青臭い年下のガキの僕より、頼りがいのある年上の伊達男が良いんだと。

 恍惚の表情の姉御の隣で、金髪野郎が照れ笑いを浮かべてやがる。

 二人とも、アホ面だった。


 今居る場所がどこだか、分かっているのか?

 各一族の族長家族の集まる、宴の席なんだぞ。

 ついさっき、僕の爺さんと姉御の爺さんが、僕らの婚約を正式に発表したばかりだ。

 どうなっても、僕は知らない。



 姉御は、僕の許嫁。僕の生まれる前から、結婚する事が決まっていた。

 黒髪の族長が生まれたばかりの孫娘の幸せを願い、親しかった僕の爺さんに頼み込んで来た事がきっかけ。

 すごく迷惑な話だ。僕に拒否権が無い。


 年上の姉御は横暴で、手先が不器用なやつだった。

 黒髪の族長にとって、初孫。大事に育てられたせいだろ。

 着替えやら、掃除やら、黒髪の一族内から選出した付き人に、全部やらせていたんだと。

 姉御は、他人に命令してばかり。自分では、何も出来ない。

 自分がする事は絶対正しい、反対する他人が悪い。

 むちゃくちゃな価値観の人物に育つ。


 姉御は時おり、僕の家に遊びに来ていた。

 そして、不器用ゆえに、家の中の物を壊して帰っていく。

 壊したものは、全部、年下の僕のせいにされた。

 爺さんが大切にしていた彫刻を真っ二つにしたときもそうだ。

 僕が壊したと親父に言い付けて、さっさと家に逃げ帰りやがったし。


 でもな、詰めが甘いんだよ。

 姉御が来たときしか、家の中の物が壊れないんだ。

 僕の爺さんだって、アホじゃない。

 きちんと説明したら、誰が犯人か、分かってくれた。


 そして、温厚な爺さんが、怒り狂った。笑顔で黒髪の族長の家に、乗り込んで行った。

「嘘つきの娘など、うちの一族に要らん。いくら親友の頼みでも、結婚の約束は無しにして貰う!」と、笑顔で爺さんが怒鳴ったらしい。

 優しくて族長に向いてない爺さんだけど、族長として、許せない一線だったんだろ。

 僕らの婚約発表までに、姉御の嘘つきを矯正すると、黒髪の族長は平謝りしたから、爺さんは矛を納めた。

 

 爺さんが乗り込んだ翌日から、姉御は僕の家に遊びに来なくなった。

 変わりに姉御を恐れていた赤毛の姫君が、僕の家に遊びに来はじめたな。

 僕の婆さんは、赤毛の一族出身。姉御よりも、親戚の姫君を愛でる。内気な姫君も、安心して家に遊びにきた。

 末っ子の姫君は、いつも弟か妹を欲しがっていた。

 僕の年の離れた妹は、姫君にとって、格好の遊び相手。

 お陰でしょっちゅう、妹と姫君のままごとに付き合わされたよ。


 ……で、現実に戻ろう。

 姉御の嘘つきを矯正した結果が、今日の発言ってわけか。

 黒髪の族長は、放心状態。孫娘の教育に失敗したな。





 横暴姉御の相手は、金髪の一族の族長の孫。

 性格は軟派、女たらしで有名。ついでに、無能の烙印持ち。

 だから、まだ婚約者が居ない。

 独り身の軟派野郎が、姉御の心を射止めるなんて、朝飯前だろな。


 軟派野郎がふらりと家に来て、僕の妹に言い寄ったときは、返り討ちにしてやったっけ。

 ひょっこり家に来たときは、偶然うちに遊びにきていた内気な赤毛の姫君にも、言い寄る。

 あのとき、僕は本気で喧嘩を吹っ掛けた。勝手に体が動いていた。

 喧嘩に乱入した僕の婆さんに、僕と軟派野郎は取り押さえられた。


 ……婆さんは、恐い。怒った婆さんは、最強だ。

 内気な赤毛の姫君と、先祖を同じにするなんて、今でも信じられない。


 怒った婆さんは、本当に恐い。拳骨も痛い。

 僕らは婆さんの拳骨で、嫌々仲直りさせられた。


 そういや、あれ以降、軟派野郎は僕を嫌うようになったな。

 無能の烙印を押されたのは、自分が悪いんだろ。

 なのに、族長の宴で顔を会わせるたびに、僕を睨んでくるんだ。

 僕も、あいつが大嫌いだし、別に構わないけどな


 ……ああ、そうか。あいつが姉御を手に入れたのは、僕への当て付けか。

 やっぱり、アホだな。


 僕は横暴な姉御と婚約したくない。婚約破棄は、歓迎すべき事態だ。

 爺さんたち、早く、軟派野郎と黒髪の姉御の婚約を認めてやってくれ。



*****



 事態は、僕の望むように進まない。

 目の前で、軟派野郎の弟が、兄と黒髪の姉御を糾弾してる。

 並べ立てているのは、正論。

 弟は軟派兄貴と違って、堅物の硬派だからな。


「兄上! 人の婚約者を口説くなど、何を考えているのですか!」とか。


「黒髪の姫君、あなたには恥じらいが無いのですか!」とか。


「青い瞳の後継ぎ! 婚約者を奪われて、悔しくないのですか!」とか。


「赤毛の姫君。あなただって兄上と黒髪の姫君の行動は、おかしいと思うでしょう?」とか。


 硬派の弟よ、少し落ち着け。

 各族長たちの集まりだぞ。宴の席なんだぞ。

 まわりの力関係とか、まわりの顔色を観察してから発言しろ。

 それから、赤毛の姫君に同意を求めるな。内気な僕の親戚を、巻き込むんじゃない。

 内気な姫君が泣いたら、後でなだめるのが大変なんだ。勘弁してくれ。




 ……いやまあ、硬派な金髪の弟の気持ちも、分からんでもないが。

 硬派も、硬派だ。一目惚れしたとかで、ずっと僕の妹一筋。

 飽きもせずに、毎日、家まで口説きに来ていたからな。

 何度、僕に返り討ちにされても、諦めなかった根性は素晴らしい。

 ある日、妹から「将来、あの人の所へ、お嫁に行きたい」と泣きながら言われた。

 妹の懇願。さすがに僕も、あいつを認めない訳にはいかなかった。


 僕の両親が密かに動いて、僕の妹と金髪の硬派な弟との縁談が、水面下で纏まりかけていた。

 硬派な弟も嬉しさのあまり、軟派兄貴に、僕の妹の素晴らしさを語ったらしい。

 弟なら、兄に祝福してもらいたい。当然の心理だな。

 ……アホは兄貴失格だったけど。


 興味を持った、軟派兄貴。面白半分で、僕の妹にちょっかいかけてきやがった。

 ついでとばかりに、内気な姫君にも、言い寄りやがって。腹が立つ。

 軟派兄貴と僕による、本気喧嘩の余波。

 妹と堅物の弟との縁談話は、破談になった。

 ……僕が硬派な弟の立場なら、アホな兄貴を心から恨むな。絶対に。


 縁談の破談に関しては、僕も悪かったと思っている。

 妹は毎日泣いて泣いて、恨み辛みを語られた。

 流石に良心が傷んだ。

 内気な赤毛の姫君が勇気を出して、兄妹仲を取り持ってくれなかったら、僕は人生に絶望しただろな。




 ところで、硬派な弟よ。僕の肩を叩くのはなぜだ?

 爺さんたちに、僕の本心を語れだと? 

 良いだろう。空気を読みながら、発言する手本を見せてやる。


「僕と姉御の婚約は、撤回して欲しい。

姉御と金髪の将来の族長の仲を、認めるべきだろ。

愛し合ってるって、当事者たちが言ってるんだ。

愛の無い僕と姉御の婚姻より、愛のある二人の婚姻をすすめる。

今の僕は、婚約者なんて要らない。

可愛い妹や、内気な親戚を、どこかの女たらしの魔の手から守る役目があるからな」


 予想通り。

 軟派野郎と黒髪の姉御は、あんまり嫌味や比喩が効いてない。

 喜びの表情だ。相変わらずのアホ面二人だな。


 硬派な金髪の弟は、嫌味や比喩を理解して、微妙な表情だ。

 いくら兄弟でも、アホ兄貴の一番の被害者なんだから、そこは割り切れ。


 ついでに、僕の本音を察して欲しい。

 許嫁の意味が分からず、身持ちの緩い婚約者なんて、居なくても全然困らないぞ。

 アホで横暴な姉御は、こちらから願い下げなんだよ!



 僕の巧みな本心を聞いた爺さん……族長たちは、険しい顔だ。

 はあ? アホ二人にも、本心を聞く?

 軟派兄貴と横暴姉御に聞くだけ、損だと思うぞ。


 一応、硬派な弟には、肩を叩き返して、合図を送った。

 弟はアホな兄貴より、出来が良い。

 少し考えたが、僕の青い瞳を見て、しっかりと尋ねてきた。


 正解。やっぱり硬派な弟は、見所がある。

 なんと言っても、僕の妹が選んだ相手だからな。

 僕やあんたの爺さん……族長達は、軟派野郎と姉御を見定めるつもりだ。

 アホ二人とは言え、一応、各族長の孫だもんな。族長を継ぐ権利を持っている。


 ……やっぱり、アホなやつらの主張は、聞くだけ無駄だった。

 いかに一族の掟に縛られず、自由で幸せな生活を望んでいるか語るだけ。

 個人主義の塊を途中から聞き流し、全部記憶から抹消した。

 僕の爺さんも親父も、同じ事をしたみたいだ。

 気付いた最強婆さんから、三代まとめて拳骨食らった。


 怒った婆さんは、本当に恐い。拳骨痛い。


 真面目になろう。

 でも、僕の見立てでは、金髪の兄貴も、黒髪の姉御も、族長として認められないだろ。

 個人の感情を優先すれば、族長失格だ。


 自分の気持ちを殺し、一族のために、世界のために動く。

 それが、族長の基本的資質。

 

 まあ、個人の気持ちと一族のためになることが同じなら、一番良い動き方だと、僕は思うがな。



*****



 アホ二人の主張を聞いたあとも、宴は続行された。

 許嫁が居なくなった筈なのに、改めて僕の婚約発表が行われる。


 赤毛の一族出身の最強婆さんは、押しが強い。

 親戚である、内気な赤毛の姫君を、僕の婚約者に仕立ててしまった。


 内気な姫君は人前に出され、不安そうに、僕の背中に隠れる。

 今日はダメだ。

 隠れる姫君を優しく捕まえると、僕の隣に立たせた。

 うつ向きがちになる、姫君の視線。

 いつもの癖でしゃがみこみ、姫君の顔をのぞきこむ。宝石のような、赤い瞳があった。

 右手を伸ばし、頭を撫でてやった。左手は、姫君の右手と繋ぐ。

 深呼吸を促すと、素直な姫君は従ってくれた。

 姫君に少しづつ笑顔が浮かぶ。これなら大丈夫だろう。

 立ち上がるついでに、小柄な姫君の右耳にささやいた。


「いつものように、おままごとをするか?

あんたが母親で、僕が父親だ。

母親は優しい笑みで子供たちを見守る役だぞ」

「はい、やります。わたくし、お母さまなのですね」

「そうだ。回りの皆は子供だぞ。

父親の僕が話をするから、母親は話が終わるまで笑って、父親を影から支えるんだ」

「わかりましたわ」


 姫君は、本当に素直で可愛い。

 見守っていた婆さんが、改めて僕らの婚約発表を告げる。

 婆さんに続いて、僕はしゃべった。

 将来の族長の跡継ぎとしての決意と、姫君との婚約に対する気持ち。


 ……でも、姫君を、将来の妻って紹介するのは、照れ臭いな。

 妻か、妻。全身がむず痒くなる。なんだこれ?

 まあ、そのうちなれるだろ。




 それにしても、婆さんは、爺さんより族長に向いていると思う。


 まず、赤毛の一族を懐柔した。

「青い瞳の族長の妻が、赤毛の姫君の後見人になる」

 赤毛の族長は、実の姉である最強婆さんの意見に逆らうわけない。


 お次は、金髪の一族。

「兄の無礼は、弟に償って貰う」

 物は言い様だ。僕の妹と、金髪の硬派な弟は相思相愛。

 金髪兄弟の爺さんは、二つ返事で快諾した。

 

 最後は、黒髪の一族。

 僕を慕ってくれる、親戚の内気な赤毛の姫君。そのお袋さんは、黒髪の族長の娘だ。

「外孫だって、黒髪の族長の可愛い孫娘に代わり無い。当初の約束通り、許嫁として、孫同士を結婚させよう」

 黒髪の族長の悩みを円満解決。


 おい、婆さん、本当にやり手だな!

 僕も見習わないと。


 問題は、金髪の兄貴と黒髪の姉御の処分。

 それから、黒髪と金髪の族長の責任についてだな。




 ……おい、婆さん。予想の斜め上を行ったぞ?

 普通、アホ二人の結婚を、族長たちに認めさせるか?

 一族の持つ力で、強制的に婚姻契約を結ばせるとな。

 難色を示した族長たちを一睨み。


 怒った婆さんは、本当に恐い。

 だが、族長たちも意地があるようだ。婆さんの思い通りにさせない。

 ……させてないよな。なんで、契約を準備し始めるんだ?


 ああ、僕の爺さんがやる気なんだ。笑顔で、契約内容を決めてるぞ。

 族長たちは、笑顔の爺さんを怖がっているように見える。

 あの最強婆さんまでもが、顔をひきつらせて、爺さんの言いなりだ。

 

 怒った婆さんは、本当に恐い。

 もっと恐いのは、温厚な爺さんが笑顔で怒鳴ったとき。

 爺さんは、温厚な人が一度怒りを爆発させれば、破壊力が半端無い見本だな。

 


 最強婆さんは完成した契約書を指差し、アホ二人に説明し始めた。


「族長の契約書は、世界の理に乗せる。理に乗せた契約は、破ることはできなくなる。

契約が結ばれれば、契約者の天寿が尽きるまで、契約は続行される」


 これは僕も知っている。爺さんたち、族長の仕事の一つだ。


「契約内容を読んで、納得してから、契約完了させること。

納得出来ないなら、契約拒否も可能。契約内容の変更も可能。

契約を完了させる事は、いつでもできる。焦る必要はない。

時間をかけて契約内容を読んで理解し、二人でよく相談して納得をしてから、婚姻契約を結ぶように」


 ……爺さんたち、お仕置きのわりに、随分と執行猶予を与えたな。

 それに最強婆さんにも、温厚な爺さんみたいに、優しさがあったのか。


 遠巻きに、契約内容を僕も確認する。

 ……おい、爺さん。キツい罠仕掛けているな!

 族長の家族なら、これぐらい見破れて当たり前だけど。


 僕の妹を見やる。悩んでいる表情だ。勉強不足だぞ。

 将来の義弟と妻にも、視線を投げた。二人とも、頷いてくれる。

 流石だな。短時間に、契約内容を正確に読み取っている。


 初めの方の契約文は、夫婦の決まり事だな。


「絶対に離婚出来ない。

お互いに相手の素顔が確認できる距離以上は、離れられない。

夫婦以外の存在とは、一生触れ合えない。会話もできなくなる。物のやり取り不可。

子供は一生作れない」


 その他にも色々あった。

 早い話が、アホ二人だけで、誰にも頼らず生きていけ。

 夫婦以外の存在云々って、自分の親兄弟……家族や、一族の全てを捨てるってことだろ。

 ……僕には、家族や一族を捨てるなんて、出来ない。


 残りは、各一族についての取り決めだな。


「未来永劫、族長の地位を継げない」


 そんな文から始まり、細々した内容が長々と続く。

 僕でも、確かめるのが面倒臭くなるな。

 面倒臭くなって、読み飛ばし始めた途中にある、契約文。


「各一族としての力は、この契約完了を持って、すべて放棄する。

契約完了後は、一切異論を申し立てしない」


 これが僕ら一族の持つ不思議な力を、全部捨てさせるための仕掛けだ。

 僕の妹ですら、爺さんの思惑通り、契約を読み飛ばし、この文に気付かなかった。

 婆さんがアホ二人に契約を説明するとき、さりげなく指差してた部分。

 最強婆さんが見せた、温厚な爺さんみたいな優しさだった。


 金髪の兄貴と黒髪の姉御は、やっぱりアホだった。

 内容をよく確かめもせずに、さっさと契約を完了させたんだ。

 晴れて夫婦になった二人は新居を探すと、幸せそうに宴の席を後にする。

 アホ二人は、お互い以外の全てを捨てた。家族も、一族の力も。

 軟派兄貴と横暴姉御の新婚生活なんて、僕は想像もしたくないがな。


 黒髪と金髪の族長は、無表情で口を横一文字に結んで、アホ二人を見送った。

 恐らく、これが今生の別れになる。


 孫が不幸になるのを分かっていても、二人の族長は助言せずに黙っていた。

 身内でも、契約には口出し無用。族長なりの責任の取り方なのだろ。


 契約の一部始終を理解して、戦々恐々している将来の義弟に、現実を軽く教えてやる

 軟派兄貴は族長を継げない。つまり、弟のあんたが、将来の金髪の族長だ。

 大事な僕の妹を預けるんだ。しっかりしてくれないと困る。

 族長になるための勉強は厳しいぞ。頑張ってくれ。

 


*****


 少年だった将来の義弟と会話した所で、目が醒めた。


 族長になるための勉強は、本当に厳しいんだ。

 世界のために動くのが、族長の使命の一つ。

 爺さんが、僕に課した二つの課題が大きくのしかかる。


 遠くの地で、問題が発生した。

 一つは放っておけば、国が一つ滅びるかも。

 もう一つは、大量に命が失われるかも。

 二つとも、原因を解決してこい。


 ……まさか、軟派兄貴と横暴姉御の事じゃないだろうな。

 僕が勘繰ってたら、爺さんから衝撃の説明が。


 一つは爺さんが好意でやったことが、裏目に出た。

 もう一つは、金髪の族長の些細な失敗のせい……だと?

 ふざけるなと、爺さんに掴みかかったら、最強婆さんに返り討ちにされた。


 今でも、怒った婆さんは、本当に恐い。拳骨痛い。

 

 さてと、原因によっては、長い旅路になるかもしれないな。

 青年となった将来の義弟に、留守中の妹と婚約者の事を頼んだ。

 硬派な将来の義弟は、頼れる親友になった。

 親友に負けないように、僕も頑張ってこよう。

ある人から教えて貰いました。

長編小説の脇役は、短編小説の主人公にすると、個性がよく分かるそうです。


試しに、とある執筆中長編小説から、訳あり登場人物を選んできました。

設定だけだった過去を、短編小説にしてみたのですが……。

「立派なお兄ちゃん」をする人物だとは思いませんでした。

あとは、「~だろう」を「~だろ」と言うのが、口癖の様子。

個性って、大事ですね。

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