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建国祭 2

さて、次の日になりました。


服装よし。

髪型よし。

顔よし。



「では、お母様。いってきます。」


「はーい。いってらっしゃい。ハルト、アレク、くれぐれもよろしくね。」


「「はい。」」



建国祭へ出発です!




────────────────

建国祭に行くにあたって、お父様と約束したのは、

1、魔法厳禁

2、1人で行動しない

3、下の方には行かない

4、知らない男について行かない。etc.


まぁ、4以降は少女趣味ロリコンに注意しろとかなんとかそんなようなものばかりなので省きます。


下の方とはどの辺りを指すのかいまいちよくわかりませんし、詳しくは教えてもらえなかったのだが、城下町の下、つまり城から一番離れた位置にあるのが、無法地帯だそうです。この王都ノアは城を中心に全長50キロほどを塀で囲み、出入りを厳しく検査しています。その為、1度王都を住処とした人は基本的に外へは出ません。出れないのではなく出ないのです。ただし、貴族は除きます。領地に帰る場合もありますし。平民は出るに出られないのです。


王都にやってくる平民の多くは仕事を探しにきます。大体はなにかしら職(下働き等)につけるのですが、職に就けなかったり、辞めたりすると、王都を出ても仕事なんぞありはしません。ついでに王都は国一番で安全な場所。そういった人が王都の底辺、無法地帯に住んでるらしいのです。


簡単に言うと、不良が住んでるから近づくなというわけで...


まぁ、お父様がそんなことを教えてくれたわけではないので、下の方とあやふやにしたのも分かりますし、兄様達が分かってればよいということなのでしょうけど...


子供扱い...


まぁ、ついこの前7歳になったばかりだから、子供なのだけど...


精神年齢20を越えた人にはすこし不満を覚えるのですよ。

なんかハブかれてる感がして



まぁ、そんなことはいいとして、下の方に行かない。つまりは無法地帯に行かなければよいので、下町、市井には行っていいってことですよね!!


高級街はあまり出店とかないのでつまらないのですよ。



ーとそんなことを兄様達に言うと


「ん?ったりめぇーじゃん。高級街なんぞ行ってもなにも面白くねーじゃん。」


アレク兄、言葉遣い気をつけようね。

一応、貴族なんだからさ。

あっ、軍人になるならいいのかな?


「ハルト兄、いいの?」


「ん?大丈夫だよ。アレクも言ってたけど、高級街はあまり祭りっていう雰囲気でもないしね。」


「そっかーじゃぁ、早く行きましょーよ!」


「そんなに急がない。街は逃げないよ。」




─────────────────

そして、来ました。建国祭!!


「うわぁぁぁぁ!」


祭りです。祭りです。

今、高級街がら下町の方に降りる坂にいるのですが、もう祭り状態です。

はっきりとした境目はないのですが、高級街でも市井の人が入り浸る辺りからだんだんと人が増え、出店もチラッと見えて来ました!


あっ!


「おじさん!」


あの時のおじさん発見しました。

前と同じ場所にいます。


「ん?おおーあん時の嬢ちゃんか。」


「はい。お店教えてくれてありがとうございました。結局、見つけられませんでしたが。」


「そーかそーか」


すると...


「アンドレさん。いつもご苦労様です。」


ハルト兄が労いの言葉を...


労い?アンドレさん?


「ん?おーお前さん。ランディールとこの倅か。」


「へ?おじさん?」


「ん?てことは、嬢ちゃん、ランディールの娘か。」


知り合い?挨拶しとく?


「え?あっはい。ランディール・ルーズフェルトが娘、ユリスと申します。」


「おぉ。そんなに畏まらんでもいいよ。」


「ハルト兄、知り合い?」


「そうだよ。彼はアンドレ・アンドリュー伯爵様。この辺り一帯を担当している。昔は戦地を駆け回り、『死神』の名がつくほど蹂躙していったとかないとか。」


え...

このおじさんが?

こんな気前よさそうな。むしろ詐欺にあいそうなおじさんが?


「おいおい。そんなに怖がせんなって。昔のことよ。それに『死神』は俺じゃなくて、ウィルの方だろ。」


「ウィル?」


「あぁ、ユリスはまだ知らなかったか。ウィルというのはお父様の父つまり、お爺様の名だよ。」


「あっ、そう。」


「なんか、反応薄いな」


「いや、祖父の代に武軍をあげたとは聞いてるけど、別に会ったことないし。てか、名前知らなかった...。」


「あーそうだよな。別に仲が悪いってわけでもないんだがな。」


そうなのですか。

お母様との実家とはあまり折り合いがよくないので、そういうものかと思ってましたよ。


あれ?なんか、雰囲気暗くなった?


「あっで、アンドリューおじさんはどうしてここにいるの?」


「あまり貴族名で呼ぶなって。」


へ?貴族名?

確かに名字を持つのは貴族以上ですが...


ん?おじさんの名前。アンドリューさん。アンドリュー伯爵様。あっ、アンドレ・アンドリューさん。

アンドレが名でアンドリューが姓か。

ややこしいな。


「あっ、すみません。では、ただのおじさんで。」


「ははは!」


え?なんか急に笑い出したんだけど...


「いいね!そう、おじさんはただのおじさんだよ。」


「は...はぁ」


「ユリス。この人はお年を召されて、老後は子供をたくさん見るんだ。って豪語して、この高級街と下町の境目にて貴族の子供が迷いこむのを今か今かと待ち構えてるんだよ。」



「おい、それには誤解が。確かにしょうじょ...子供を愛でるのは好きだか、その犯罪者紛いのことは一切しておらんぞ!私はこの街の安全を守っているのだよ!」



ねぇ、お父様。少女趣味ロリコンはこの人のことを言っていたのですか?



「おい、その疑いの目はやめれい!てか、嬢ちゃん。変わり過ぎじゃないか。活発な可愛い子だと思っていたのに。」


おい、どんな目で見てたんでしょうね


「ユリス。どんなことしたんだ?」


「えー。別にお菓子の店を教えてって言っただけだよ?まぁ、猫被っていたことは確かだけど、活発で可愛い子ってのは合ってると思うよ。」



うんうん。私が子供らしさ全開にしたらあーなるって。だから、猫被りじゃないよって。


ん?じゃぁあれって...


「ねぇ、おじさん。『迷い猫』って本当にお菓子のお店?」


「嬢ちゃん。やっぱり、猫被っていたんだ...。あぁ、『迷い猫』はそのまんま、迷っちゃった子供が行く所だよ。ほらあそこ。」


その指さす方へ目をやると...


ありました。『迷い猫』って看板が下げてあります。


っていやいや。

あそこにあったら気づかないって!

どんだけ、見えずらいところにあるだよ。

普通、わかんないから!


「そうですか...」


でも、『迷い猫』なんてメルヘンチックで少し楽しみにしてたのに...


「ユリス、お菓子屋さん行きたいの?」


「はい!」


「ふふ、じゃぁ、行こうか。」


私自身が、顔がパアァっと明るくなるのを感じます。


なんだか、体の幼さにつられて私も幼くなっているような気がします。


まぁ、いいか。正真正銘、子供ですし。


子供の時でしか味わえないことを堪能するのみ!



「では、失礼します。」


「おう!楽しんでこい!」


「おじさん、またねー!」



こうして、今度こそ祭りへ、そして、お菓子屋に行くのだ!







あれ?アレク兄?

アレク兄の存在感が...




閲覧ありがとうございました。

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