城下町へ行こう 2
今回も少なめです。
よし、出発だ!
─とはいったものの、どこへ向かえばよいのか
ここは、いわゆる住宅地
あっ、だからといって、ご近所さんがいるとかではないですよ
だって、家というか敷地自体がでかいからね
うーんどっちが、お店とか並ぶ通りなんだろ
まぁ、いっか、なんとなく、人がいそうな所へいけば
─って、なんとなくで来たけど...
「うわー」
なんか、日本でいう銀座?みたいな
ずらっと並ぶ高級店ような店、人通りは少ない方
たぶん、この辺りにくるのが高位貴族だから、馬車が多いのかも
ほら、今も何台か通ったし
「にしても気づかれないもんだね」
そう、今の私、場違いかなとか思ったけど、むしろこの高級店が並ぶような所では、外套は被っててもやっぱり、どこぞのお嬢様ですか?という感じはあり、むしろそれが馴染んでるみたい...
でも、やっぱり、城下町っていったら、もうすこし活気がある感じを想像してたのに...
本人は気づいていないが、気づかれないのにはもう一つ理由がある。
それは...
「あっ、おじさん、失礼ながら、美味しいお菓子屋さんとか知りませんか?」
ありゃ、口調が変になったかも
「おっと、お嬢さん、いつからそこに?」
「え?さっきからいましたけど」
「そうかい、そうかい。うーん、お菓子屋さんね、それなら、もうすこし下にある、『迷い猫』っていうことろがいいよ」
『迷い猫』!なんかメルヘン
「ありがとうございます。」
「ところで、お嬢さん、1人?親御さんは?」
「あー、あのですね、そう!誕生日で!買いに来たの!あっでも、ちゃんといるよ」
ニコッ
「そうかい、そうかい。」
「えへへ、では、失礼しますね」
誤魔化しは笑顔で!
これ基本だからね
ふぅー危なかったー
やっぱり、下手に聞くべきじゃなかったかな〜
まぁ、いいっか
そう、本人は気づいていないが、本人自体が影が薄いのだ。
というか、前世の癖で、人の視線を気にしながら生きてきたから、自然と気づかれないように動くようになっていたのだ。
うーん、迷い猫、迷い猫
ん?
「あれ?」
なんか、町の雰囲気が......変わった?
さっき私の想像してた感じみたいな、活気のある街中...
迷った?
でも、大通りを真っ直ぐ進んだだけだけど...
あぁ、なるほど、そういうことか
さっきより、活気のある街中。人通りも多く、馬車も通り過ぎるだけ。なによりも、人々が普通なのだ。おしゃれもしてる人もいるし、ラフな格好の人もいる。
つまり、ここは市井なのだ。
さっきの所は、高級な城下町。
たぶん、王城に近づくほと高級になるのかな
で、さっき、おじさんがいたところが大体の境目かな
って、待てよ
まさか、さっきのおじさん、衛兵とか?
私服警官みたいな...
いやいや、ただの思い過ごしだよ。
だって、別に追いかけてこないし
うん、そうしよう
あーでも、市井ってことは...
「やっぱり、浮いちゃう?」
みたいです。まぁ、あまりジロジロ見られることはないみたい
この辺だとまだ、貴族の子が降りてきたりしてくるのかもね
どこぞの世間知らずのお坊ちゃん、お嬢ちゃんかよ
...はい。世間知らずのお嬢ちゃんとは私のことですね。でも、まぁ、さっき聞いたお店行ったら、帰るとしますか
そして、ここにも世間知らずのお坊ちゃんがいました。
「やめたまえよ!」
ん?なんか、騒がしいけど...
そこには、ボロボロな服の子、その前で睨む大の男
そして...
あれって、もしかしなくても王子様?
その子を背に庇うようにして、大の男を睨む、いかにも貴族の子っというお坊ちゃんがいました。
おいおい、何やっちゃってんの?
うんうん、安定の王子様登場です。
閲覧ありがとうございました。