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ずっと更新してなくて、すみません<(_ _*)>
対バンの話を聞いたから、練習をするのかと思ったら違った。そうだよね、部長はともかく副部長がれいちゃんなら、真面目に練習するわけ無いもんね。そして、私の目の前には、紅茶とケーキが置いてある。もう慣れたよ・・・だけどこのケーキはどう見ても手作りだよね?
「財部さん、お口に合いませんでしたか?」
「え?部長?これって部長の手作りなんですか?」
「綾女はお菓子作りが好きだから、ちょくちょく作ってはこうやって持ってくるよ」
「そうなんですか!?」
そう言えば、この紅茶も部長が持ってきた物だし、バンド練習よりもお茶会優先って良いのかな?先生にバレなきゃって所なんだろうか?
それからも、私はれいちゃんや、他の先輩達と好きな音楽の話題など楽しかった。同じ一年生の子は各々楽しそうだったし、紗智は舞先輩に捕まってずっと弄られていたっけ。たまに、私へ助けを求めたりしてたけれど、面白かったからそのままにしたらジト目された。
「今日はこれで、お開きにしましょう」
部長の一言で、今日の部活は終わり。うん、ギター全く触ってない。そう言えば、対バンって何処で演るんだろう?
「れいちゃん、7月のライブは何処でやるの?」
部室から出て、寮までの道程をれいちゃんと一緒に帰る。
紗智は、まだ舞先輩に捕まったままで遊ばれている。二人共に仲良いなー。
「あれ?言ってなかった?駅前にあるCDショップの地下にあるライブハウスだよ」
「え?あそこでやるの?」」
れいちゃんが教えてくれたライブハウスは、この辺りでは有名な場所で内装も綺麗で広く、色々なバンドの人がライブをしている。勿論、その中にはメジャーデビューした人達だって居る。
「あぁ、そうだ! ゆきちゃん、今日この後ひま?」
「え?うん・・・特に用事も無いから暇だよ」
「じゃあさ、今からそのライブハウスに行こう?」
「え?えええー!?」
突然過ぎない?いやいやいや、れいちゃんだもん、これ位は普通か。でも、何でいきなり?
「下見と書類の提出に行くだけだよ」
「あぁ、それだけね」
「ゆきちゃん、何考えてたの?」
「え?いや?その・・・」
いきなりステージに立つとか言われると思ってたから・・・なんて、いくられいちゃんでも言わないか。
「あ、そうだ!今日ステージに立つかもしれないから、その時は宜しく」
「あ、はは・・・うん」
マジだった。冗談で思ってただけなのに、れいちゃんは本気だったのね。うーん、いきなりあのステージに立つかもしれないと思うと、急に緊張しちゃうよ。
そんな事を話していたら、目的地のCDショップに着いた。
私達はショップの隣にあるエレベーターで、地下のライブハウスへと向かう。
重い扉を開けると、すぐそこは受付になっているみたいで、派手な服装のお兄さんが居た。
「お!れいちゃん、久し振り」
「かっちゃん、久し振りー」
れいちゃんは、手を振って派手な服装のお兄さんに挨拶をする。
「今日はどうしたの?」
「7月にここで、対バンするからその書類を持って来たよ」
「あぁ、オーナーから聞いてる。高校生バンドで、これだけ集まるのって凄いな」
「もう知ってるんだ」
「そりゃそうだろ、城ヶ崎高校に藤崎学園、藍沢高校と揃えば誰だって観に行くと言い出すだろ。それより、後ろの子は誰だ?」
「あぁ、紹介していなかったね。私の従姉妹の財部 雪菜」
「財部 雪菜です」
私はれいちゃんに紹介され、挨拶をする。派手な服装のお兄さんは、このライブハウスのスタッフさんで、名前を克巳さんと言う、苗字はれいちゃんも知らないとか。
「そっか、宜しくな」
私達は、その後書類を渡してライブハウスを後にした。
ステージに立てなかったのは、少し残念だったけれど当日まで楽しみにしておこう。
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翌日。
何時も通りに登校し教室へ行くと、既に紗智が来ていた。
「紗智、おはよう」
「おはよう」
ん?何か紗智の様子がいつもと違う。なんか、元気が無い様な。
「紗智、何かあった?」
「え?どうして?」
「うーん、何かいつもと違う。元気が無い様な感じがするけど、本当に何も無い?」
「有り難う、大丈夫だよ」
「そう、それなら良いけど」
私はそのまま、自分の席へと着く。
その後に遥と真紀ちゃんが、一緒に教室へ入って来た。
「紗智、ゆきちゃん、おはよー」
「おはようございます」
「「 おはよー 」」
遥は私達と席が離れているので、鞄を自分の机に置いてから私達の所へ来る。
真紀ちゃんも鞄を置いてから、私達の元に来る。
私達はHRの時間ギリギリまで話をしていた。ただ、紗智がたまに寂しそうな顔をするのが気になる。何も無いと言っていたけれど、大丈夫かな?
放課後──
今日は、部活がお休みなので、私はそのまま寮へと帰ろうとしたら、真紀ちゃんも部活が休みだったので一緒に帰る事となった。
紗智も一緒に帰りたがっていたが、遥に呼ばれて渋々遥と一緒に出て行った。出て行く瞬間、私と目が合ったけれど、その表情はとても寂しそうだった。
「雪菜さん、後からお部屋に行っても良いですか?」
「いいよ」
「有り難うございます。それじゃ、着替えたら伺いますね」
私達は寮に着いて、一旦各々の部屋へと行き私は真紀ちゃんが来るのを待っていた。