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部活紹介があった日から一週間。今日から正式に各々の部活で活動する事が出来る。
でもそれは普通の生徒であって、私は何故か仮入部期間からずっと正式な部員と同じ活動をさせられていた。まぁ、ずっとギターが触れるのなら別に良いけど。そう言えば、紗智も最初は嫌がってたのに軽音楽部へ正式に入部する事となった。
これは私の力というより、れいちゃんや舞先輩が紗智を構っていたのも大きいと思う。
それと柊先輩は、取っつきにくいと思っていたが、実は人見知りなだけで慣れてくれば良く話す人だった。
「雪菜ー、部活行こう」
「待って、すぐに行くから」
「今日も部活ですか?」
「うん、真紀ちゃんも?」
「いえ、今日はお休みだそうです」
「そっか」
「雪菜、早くー!」
廊下から紗智が大声で私を呼ぶ。
「ごめんね、それじゃ行くね」
「うん、頑張ってね」
「有り難う」
私は廊下に居る紗智の所へ向かいながら、真紀ちゃんに手を振る。
「雪菜、遅い」
「ごめん」
紗智は私が真紀ちゃんと話していた事に拗ねているのか、機嫌が悪るそう。廊下で待って居なくても、一緒に話しすれば良いのにと思う。
私と紗智は並んで部室棟へと向かった。
軽音楽部の部室に着いて扉を開けると、既に他の一年生の子達が来て個人練習を始めていた。
仮入部の時に私達より先に来ていた三人。名前は、藤木さんと一瀬さん、それに滝川さん。藤木さんと一瀬さんは少しだけ経験したという事もあり、そこそこ弾ける。滝川さんは初心者なので、イチから教えないといけない。
「三人とも早いね」
「財部さん、鈴代先輩からの伝言で、“二年生は皆遅れてくるから一年生だけで練習しててね”という事だそうです」
「そうなんだ、有り難うね。それじゃあ・・・」
私は自分のギターをケースから取り出して、アンプへと繋ぎ調整をしていく。
紗智は、結局舞先輩の押しに負けて、ドラムを演る事になった。
高校からドラム演るってかなり難しいと思うけど、紗智はどんどん上達していった。先輩が教えるの上手いのか、紗智の素質があったのか分からないけれど、素人だったハズなのに今はそこそこ叩けている。
「おー、ちゃんと練習してるねー」
ドアが開く音と同時に、れいちゃん達が入って来た。
私達は一旦練習を止めて、先輩達の所へ集まる。
「今日から正式に軽音楽部の部員として、皆に話したい事があります」
私以外の子達がざわざわしていると・・・
「話したい事とは、7月に対バンする事になりました」
「え?」
先輩達以外は皆驚いている。
「対バンと言っても、今回は私達二年生だけが出ます。貴女達一年生は、秋に行われる文化祭で発表する事になります」
「ええ!?」
そこまで決まっちゃってるの?
「一年生の皆は文化祭に向けて、頑張って欲しいの。勿論、私達二年生も文化祭に出るわ」
つまり、私達は先輩達と文化祭で対バンする・・・うわー大変だ、皆大丈夫かな。
回りを見ると、皆固まってしまっている。それはそうでしょ、まだ初心者という子だって居るのに、いきなり文化祭で先輩達と対バンだなんて、固まっちゃっても可笑しくないよ。
「えっと、それから・・・」
まだ、何かあるの?
「財部さんについては、私達二年生と一緒に7月の対バンに出てもらいます」
「え? ええぇぇー!!!」
私だけ先輩達とバンド演るのー!?れいちゃんと一緒にステージに立てるのは嬉しいけど、どうしよう。
「財部さんの実力なら大丈夫ですよ」
「ゆきちゃん、また一緒にステージ立てるね」
「え?え?」
私の頭はまだ混乱したまま、先輩達とステージに立つだなんて・・・えー!