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寮の部屋に戻ってやっと一息。
それにしても、今日はまだ部活見学だけだよね?正式に入部となるのは、来週からって先生言ってた様な。私はそのまま仮入部じゃなくても良いけど、紗智はどうするんだろう?ギター教えてとか言ってたけど、一緒に入るのかな?あんなに嫌がってたのに、何があったのだろう?・・・と、その前に着替えなきゃ。
学校から帰って来て、制服のままベッドに寝転がっちゃったけど、皺になってないよね?
私は箪笥から着替えの服を取り出して、いそいそと着替えを済ませる。その直後、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「はーい、今開けます」
部屋のドアを開けると、そこには真紀ちゃんがたっていた。
「あの・・・迷惑じゃなければ、お話ししたいかなと・・・」
おずおずと私の様子を伺いながら、聞いてくる真紀ちゃん。何、この可愛さ!
内心でそう思ってても、口には出さない、ドン引きされそうだしね。
「いいよ、いらっしゃい」
「お、お邪魔します」
真紀ちゃんは、丁寧に挨拶しながら入って来た。
「その辺テキトーに座ってて」
私は備え付けのミニ冷蔵庫から、お茶を取り出してコップに注いでいく。
真紀ちゃんの前にお茶の入ったコップを差し出して・・・
「ごめんね、今はこんなのしか無くて」
「いえ、突然来た私がいけないだけです」
「そんな事気にしないの、真紀ちゃんが訪ねてきてくれて、私も嬉しいから」
「そ、そう言ってもらえると、私も嬉しいです」
真紀ちゃんの顔が、ほんのりと紅くなりながら照れてる様子だった。
「それで、話しとは?」
「あ!忘れてました。図書館で雪菜さん達を待っている時に、蜷川さんから雪菜さんの従姉妹にお会いしたと教えてもらって、その・・・私も会ってみたいな・・・と」
「れいちゃんに?いいよー、明日も部活に顔出す事になっちゃったから、一緒に来る?あ!それとも、明日は何か用事とかあった?」
「いえ、何も無いです。というか、本当に良いの?」
「ん?大丈夫だよー。れいちゃんも、気にしないタイプだから」
「有り難うございます」
それから暫く、私と真紀ちゃんは今日あった出来事や中学生時代の話で盛り上がった。
「あ!もうこんな時間、遅くまでお邪魔してごめんなさい」
「ううん、気にしなくて良いよ。それより、今度は真紀ちゃんの部屋に遊びに行っても良い?」
「はい!是非、遊びにいらして下さい。それじゃ、お休みなさい」
「お休みー」
私は真紀ちゃんを見送ると、そのままお風呂へ入りに行った。






