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私立藍沢高校 軽音楽部!   作者: 南條 樹
第1章 再会と・・・
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ドアの方を見ると、二人の先輩が此方に近付いて来ていた。


「遅れてごめーん」


「舞、真琴、二人共遅いわね」


「ちょっとな・・・」


遅れてきた先輩達が、れいちゃんの隣に立つ。それと同時に纏め役らしい先輩が喋りだす。


「先ず、私達の自己紹介からね。私は鈴代 綾女、2年生よ。担当パートはキーボード、そしてこの部の部長をしてます、皆さん宜しくね」


「はーい、次は私ね。私の名前は橘 麗華、同じく2年生。担当パートはギターだよ、それと副部長ね。宜しくー」


「私の名前は 柊 真琴、2年生。担当はボーカル兼ギター、宜しく」


「最後は私かぁ。私の名前は朝倉 舞、担当パートはドラムやってまーす、宜しくね」


鈴代先輩に柊先輩、あと朝倉先輩か・・・

私は前に立っている先輩達を眺めながら、先程の自己紹介を思い出す。柊先輩は取っ付きにくそうだけど、朝倉先輩はフレンドリーな感じだなと思っていたら、いつの間にか自分の番になっていた。


「あっ!私の名前は財部 雪菜、小学生の頃からギターやってました。宜しくお願いします」


簡単な挨拶を済ませ、席に着く。

すると、朝倉先輩が私に向かって話し掛けてきた。


「貴女が財部さん? れいちゃんの従姉妹って言うのは?」


「あ、はい。れ、じゃなかった橘先輩とは従姉妹です」


「じゃあさ、れいちゃんとバンド組んでたのは本当なの?」


「はい、本当です」


先輩は何故かキャーとか言って騒いでる。何だろう?でも、とても嬉しそうだ。


「取り敢えず今日は挨拶だけにしましょ、最初から張り切ると疲れちゃうしね。後はお喋りでもしましょう」


ええ!それで良いの?と言うか、先輩達机の上にクッキーやらチョコレートと言ったお菓子を出しているのだけどー。というか、この部室冷蔵庫まであるの?

鈴代先輩が冷蔵庫からペットボトルを取り出して、机の上に並べている。


「あ、ホットが良い子は言ってね」


そう言ってる間に机の上には、飲み物やらお菓子でいっぱいになっていた。


「ゆきちゃん。はい、紅茶」


「ん、有り難う」


れいちゃんは私に、温かい紅茶が入ったマグカップを差し出してきた。

回りを見渡すと、先輩達と一年生が仲良くお茶しながら話をしていた。


「それで、ゆきちゃんは私と会えなかった一年間、何してたの?」


「えーと、受験勉強とギターの練習?」


「何で疑問系なの?」


「何でだろう」


「分からないって、ゆきちゃんらしいね。ずっとギター練習していたなら、かなり上達しているんじゃない?」


「そうかなー?あ!でも、一回だけクラスの子に頼まれて文化祭でバンド組んで演ったら、評判が良かったのかアチコチからオファー貰ったかな。でも、私はれいちゃんと演りたかったから、断っちゃったけどね」


「・・・嬉しい事言ってくれるね。ねえ、試しに一辺弾いてみてよ」


「ギター持ってきて無いよ」


まさか今日いきなり弾くとは思わなかったから、ギターは寮に置いたままだ。


「んー、私のギター使っちゃっていいから、お願い」


「えー!!」


隣に居た朝倉先輩にも聞こえてたらしく、先輩も私が弾いている所を見たいと言い出してきた。


「もう・・・しようがないですね。れいちゃん、ギター貸して」


「やった!」


れいちゃんはいそいそと、ギターケースから自分のギターを取り出すと、私に差し出してきた。

私はギターを受け取ると、ポケットからピックを取り出し軽く鳴らす。ピックは、小さいし嵩張らないから常に持ち歩いているのだ。

他の先輩や同級生の子も、いきなりギターの音が聴こえたから、一斉に此方を振り返る。うーん、皆に注目されるの苦手なんだよな。それでも簡単な調節を済ませると、私はいつも練習している曲を弾き出した。






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