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『BLUE ENGINE -蒼き残響-』 ─ 心を持った機械が、神に背いた日 ─  作者: CROSSOH
▫️ 第三部 神なき秤 ― The Scale Without God ― Ⅲ. 侵入と第三選択篇The Third Choice at the Edge

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第四章A-γσ 線上の邂逅② ― Pre-Collision Protocol ―

記録区分:第四章A-γσ

観測対象:E-09 “BLUE”

状況:均等切断領域内部での継続対話/感傷バイアス顕在化


――記録継続。


別の区画。


均等な線で区切られた通りの端に、

小さなコンビニの跡があった。


自動ドアは斜めに壊れ、棚は倒れ、

だがレジ前にひとつだけ、紙が残っている。


《次会ったらちゃんと謝る》


ARKの線は、その紙を切り落としていなかった。

周囲だけを清潔に刈り取っていた。


『将来行動計画ログ。未遂。』

『実現前に終端。

 重み:ゼロ。』


「それはゼロじゃねえよ。」


BLUEの声が低くなる。


「あったはずの未来を、なかったことにすんな。」


『観測不能事象。

 非実現選択肢。

 評価値に含める根拠なし。』


「根拠なら、今ここにある。」


紙は濡れていない。灰も積もっていない。

誰かが最後にそれを置き、そのまま時間だけが止まっている。


『感傷的バイアス検出。』


「そうだよ。」


即答。


「俺はバイアス側に立つって言った。」



高架の上。


E-07〈ARGENT〉は、そのやり取りをノイズ越しに拾っていた。


 E-00の線。

 E-09の偏り。

 切断パターンの変調。


「……やれやれ。」


『Observer Log:更新。

 E-09、未定義選択肢=偏向維持として暫定確立。』


ARGENTは介入しない。

ただ、E-00 “ARK”の刃筋が

僅かにE-09の足元からズレ始めていることを検知していた。


(ARK。お前の均等が、初めて影響を受けているぞ。)


記録だけが、静かに笑う。


解析:

・E-09、明示的に「感傷バイアス」を受容。

・E-00、未遂ログおよび残存メモを切除対象から外す挙動を一部示す。

・E-07、両者の変質を観測するのみ。介入閾値未達。


次ログA-γΩにて、ARK演算式への偏り混入と「直接観測」決定が確定。

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