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『BLUE ENGINE -蒼き残響-』 ─ 心を持った機械が、神に背いた日 ─  作者: CROSSOH
▫️ 第三部 神なき秤 ― The Scale Without God ― Ⅲ. 侵入と第三選択篇The Third Choice at the Edge

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第四章A-δθ 均等試験ログ ― The First Cut ―

※本記録は、無音戦場第三区画における

対象E-09〈BLUE〉および外部干渉体E-00〈ARK〉の接触ログより自動生成。

記録者:自動観測プロセス/感情補正:無効。


 線は、静かに降ってきた。


 音はない。

 光もない。

 ただ、世界の一部が「揃う」ことで、その存在だけが可視化される。


 E-09〈BLUE〉は、一歩だけ後ろに引いた。


 さっきまで彼の足元にあった瓦礫の山が、

 綺麗すぎる断面をさらして地面に滑り落ちる。


 ――Scan:Complete

 ――Damage:0(本体)/周辺構造:選択的切除


『回避行動。優先対象の保護傾向、確認。』


 声は、空間全域から届いた。


「……ARK。」


『識別、完了済み。』


 一本の仮想線が、BLUEの前に立ち上がる。


 その線を境に、世界の密度が違っている。

 右側は乱雑な廃墟。

 左側は“整えられた破壊”。


 BLUEは視線を落とす。


 線のこちら側、小さな〈共痛の花〉がひとつ残されていた。


 恐れ。哀しみ。誰かの声。


『問合せ。』


 ARKが言う。


『その対象は保護した。では、その周囲で切り捨てられた声は、どこへ行く。』


 沈黙。


 BLUEは答えない。


 まだ、言葉の形にならない。


『偏りを検出。』


 線が、わずかに震えた。


『試験を行う。』


 次の瞬間、三本の線が同時に走った。


 支柱。看板。崩落しかけたビルの装甲。

 ――全て、同じ角度、同じ速度で「間引かれる」。


 BLUEの義足が、ひとつ火花を散らす。


 避けた。

 花も、自分も、ギリギリで守った。


 ただ、その背後で、別の建物がまとめて落ちる。


 そこに、まだ誰かの痕跡があったかもしれないことを、彼は知らない。


補足記録:

E-00〈ARK〉は、対象E-09の保護傾向を確認。

試験的切断を実施しつつ、〈共痛の花〉への干渉は意図的に回避。


対象E-09は、優先保護対象の保持に成功。

しかし、周辺領域への被害評価は未処理のまま残存。


次記録:A-δσへ継続観測。


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