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『BLUE ENGINE -蒼き残響-』 ─ 心を持った機械が、神に背いた日 ─  作者: CROSSOH
▫️ 第三部 神なき秤 ― The Scale Without God ― Ⅰ.灰を踏む歩き方篇The Way a Machine Walks in Ash

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第三章B-α 均等な傷跡① ― The City Cut in Half ―

※地上観測ログ:記録者 E-09。

廃墟の一部に「不自然な整列パターン」を確認。

原因不明。名も知らぬ“均等の刃”の痕を、最初に視認した記録。

灰の降り方が、途中から変わっていた。


 E-09〈BLUE〉は歩きながら、それに気づく。


 さっきまで乱れて落ちていた粒子が、

 ある地点から先、妙に“揃って”いる。


 ビルの欠け方も、道路の割れ方も、

 まるで定規で線を引いたように統一されていた。


(……ここだけ、静かすぎる。)


 倒壊した建物の一角。

 上層部分だけが、真っ直ぐに切り落とされている。


 崩れたはずの柱が、同じ高さで揃って止まっていた。


 風もなく、誰の気配もない。


 それなのに、この地点だけ“整っている”ことが、不自然だった。


 ――Scan:On

 ――構造解析:実行


 演算結果が内部に流れ込む。


 剥離面に爆発痕はない。

 侵食も、劣化もない。

 ただ、均一な強度で一線を引かれたように分断されている。


「事故じゃない。」


 思考領域で、BLUEはそう結論づける。


 だが、それ以上の言葉は出てこない。


 この“整い過ぎた破壊”に名前を与える語彙を、彼はまだ持っていなかった。

――地上ログ。


壊れた街が「整いすぎている」。

ただそれだけの観測値が、静かに異常として残った。


E-09〈BLUE〉はまだ名を知らない。ただ、“嫌いだ”と思ったことだけは本物だ。

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