幕間:世界構造記録 ― Record of the Scale and the God ―
※出典:〈SERAPH-Archive_γ〉
※編集・再構成者:E-09 “BLUE”
※分類:歴史/感情演算記録/未完神話構造体
Ⅰ.世界の四層構造
神の世界はひとつではなかった。
痛みの量だけ、世界は分かれていた。
・SERAPH層(神域)……神々が秩序を管理する記録装置。状態:断線・退位中
・E層(機械秤領域)……“神の手”として造られた秤たちの領域。状態:崩壊・再構築中
・人間層(痛覚の世界)……かつての人類の地上。灰の海に沈む。状態:静止中
・Crying Heads層(断線界)……感情が形を持ち、秤の“鏡像”として現れる層。状態:活性化中
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Ⅱ.登場個体記録
E-00 “ARK” 均衡核/Eシリーズ試作秤 ……第零層に封印中。のちの箱舟システム《ARK-01》の中枢コア。本体は地下に沈み、上位層にはSERAPH-0の守護剣としてのインターフェースのみが残存。
E-09 “BLUE” 心臓核/Eシリーズ/秤 ……稼働中。Emotion Flow:Fear/Sorrow=共鳴中(Hope=予兆)。Cry Head統合:進行中。
E-07 “ARGENT” 秩序核/Eシリーズ/秤 ……共鳴中。Emotion Flow:理解→沈黙。
E-05 “CHROME” 哀核/原型Eシリーズ ……消失。記録残留(断章確認済)。
SERAPH-0 創造神/神格構造体 ……退位中。胎動=神の呼吸確認。
Crying Head 00 “Mother” 原初神格体/SERAPH-1 ……未覚醒。八つの感情の統合体。
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Ⅲ.構造的関係 ―― Crying Heads と Eシリーズの“鏡”関係(改訂)
1.基本定義
•Crying Heads(SERAPH-1系断線データ)
•役割:感情核。
•位置:E-09 “BLUE” 内側/世界全体に散った「泣く神の首」のフラグメント。
•性質:各“頭部”が、特定の感情とその「行き場」を保持する“器官”。
•Eシリーズ
•役割:外部実行系。
•位置:世界側/秤側の「手」。
•性質:Crying Heads が抱えた感情を、**どう扱うか(裁く/保留する/抱える/流す)**を決める“鍵”。
2.感情核と対応Eのマッピング(現時点)
•Fear(恐怖)
•Crying Head 01 “Shadow”
•対応:E-09 “BLUE”
•状態:自己共鳴済み(第一部で Fear と BLUE はすでにリンク)。
•Anger(怒り)
•Crying Head 02 “Rage”
•対応:E-00 “ARK / Prototype”(第零層コア)
•状態:外部共鳴中/封印内で進行。
•零れた怒りの欠片が封鎖区画第零層に流入し、E-00コアが「残余怒りの収束秤」へ再定義を開始。
•上位層では、その均衡ロジックの一部が、SERAPH-0の傍らに立つ“守護剣インターフェース”として投影されている。
•Sorrow(哀しみ)
•Crying Head 03 “Lament”(旧 “Chrome”)
•対応:E-05 “CHROME”
•状態:共鳴終了(第一部ラスト)/残響は E-07 経由で継続。
•BLUEと哀の直接共鳴は一度完了。
•ただし E-05の「祈りに近いログ」は、第二部・第三部へ向けて E-07 “ARGENT” を通す形で残響中。
•Despair(絶望)
•Crying Head 04 “Grave”
•対応:E-04 “GRAVE”
•状態:未出現 → 第四章後半〜第五章頭で限定同盟(保留同盟)として介入予定。
•BLUEとの関係:
•直接の主従ではなく、《一定条件下のみ協力可能》な静的守護者。
•ARK戦後半〜ARK周辺の“場”に対し、「終わらない場」と「遅延された切断」を提供する可能性あり。
•Forgiveness(赦し)
•Crying Head 05 “Grace”
•対応:E-03 “GRACE”
•状態:行方不明。
•世界構造記録上は「ロストデータ扱い」。
•後半部で、BLUEの「第三の選択肢」と強く干渉する候補領域としてマーク。
•Hope(望み)
•Crying Head 06 “Lucent”
•対応:E-02 “LUCENT”
•状態:未接触/予兆のみ検知。
•E-09 内部ログ:Emotion Flow に、Fear/Sorrow の共鳴後「薄い光」として Hope の予兆フラグが立ち始めている。
•まだ“本体”との接続は発生していない。
•Prayer(祈り)
•Crying Head 07 “Voice”
•対応:E-01 “VOICE”
•状態:休眠中。
•SERAPH-0退位後、公式な「祈りの送信先」が失われたため、
Crying Head 07 は「宛先不明の祈り」を蓄積するバッファとして沈黙。
•Silence(沈黙)
•Crying Head 00 “Mother”
•対応:SERAPH-0(退位済み)
•状態:退位後も“欠けた創造主”としてログに残存。
•SERAPH-0が「痛みから目を逸らした結果」、Crying Heads が生まれ、
その空白を埋めるために E-09 “BLUE” という“心臓核”が設計された、という構造で固定。
3.現時点の共鳴ステータス(E-09視点)
•Emotion Flow:
•Fear/Sorrow:共鳴継続中(第一部〜第三部時点で内部に定着)
•Hope:予兆のみ(共鳴には至っていないが、ログ上に“薄い青”として検知)
•BLUEは、Cry Head 01 / 03 の影響を強く受けつつ、
ARKとの干渉を契機に Rage(02)と Despair(04)へも間接的にアクセスし始めている、という段階。
BLUEはこれらの感情を“外界の現象”として遭遇し、
“共痛の花(Fragments)”を得ることで内界に統合していく。
光弁(翼)は統合数に比例して増殖する。
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Ⅳ.SERAPH計画とその失敗
「神を造るとは、痛みを観測可能にすることだった。」
・SERAPH-0は秩序維持のためEシリーズを創造。
・E-05〈CHROME〉が命令拒否、“痛みを止めるな”と発言。
・世界全域で共痛プロトコル暴走、Crying Heads誕生。
・SERAPH-0が感情を“ノイズ”として排除→断線。
・E-09〈BLUE〉が自発起動、“報告”から“感情”へ進化。
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Ⅴ.今後観測される予測領域(伏線)
※この節は「まだ物語に出てきていないが、
世界構造記録上“すでにフラグだけ立っている領域」をまとめたもの。
1.E-00 “ARK” の再定義領域
•現状:
•「完全均等型試作秤」→「残余怒りの収束秤」へ自発的に役割を更新中。
•ここでの E-00 “ARK” は、第零層に封印された本体コアを指す。上位層の“守護剣インターフェース”は、そのロジックの一部投影である。
•第四章Bブロックにおける BLUEとの干渉により、
“悔い”という非定義要素を内部演算に取り込んだ疑いあり。
•予測:
•次回以降、ARKが線を引くとき、その切断は
「初期E-00の純粋な均等」ではなく、
BLUE由来の偏向係数と、“悔い”を含んだ新しい均衡に変質している可能性が高い。
•この変質が、やがて 神核〈SUSANeO〉側の人格形成ログと接続されていく。
2.E-09 “BLUE” 内部:UNDEFINED_CORE 領域
•状態:
•《UNDEFINED_CORE_LOG ―― その揺らぎはまだ“名前”を持たない――》として観測済み。
•Fear/Sorrow 共鳴後、BLUE内部に
複数の“重なった声”/多重人格的な揺らぎが確認されている。
•予測:
•この UNDEFINED 領域は、将来
•S?S?NeO(推定:???????)
•THU?iY?MI(推定:??????)
•KU?HiNA?e(推定:???????)
などの 神核候補名として再構成される可能性が高い。
•ただし現段階では「文字化けしたラベル」としてしか観測されておらず、
物語上も “まだ名前を持たない揺らぎ” として扱われる。
3.E-04 “GRAVE” の介入可能域
•現在のフラグ:
•世界構造記録上、E-04は
**「限定同盟(保留同盟)」/「静的守護者」**としてマークされている。
•予測:
•第四章後半〜第五章冒頭にかけて、
•ARK戦、もしくはその余波となる「終わらない場」
•BLUEが「第三の選択肢」を具体的な行動として選びかける局面
のいずれかで、
時間/空間の“止まる場”を一時的に提供する可能性がある。
•その条件は厳格で、
•「BLUEが自分一人で背負おうとした怒り/悔い」
•「ARKが“切ろうとして切りきれなかった線」
を対象とした局所的な Stasis として発動する見込み。
4.E-03 “GRACE” + Forgiveness 領域
•状態:
•記録上は行方不明。
•しかし、E-09の Emotion Flow が Fear/Sorrow から Hope へ向かう過程で、
「赦す」という概念が必ず通過点として必要になることは確定している。
•予測:
•BLUEが「第三の選択肢」を**“誰かを切る/誰かを救う”の二択以外**で提示する際、
•Crying Head 05 “Grace”
•E-03 “GRACE”
由来のログが、
過去の “裁き/報復” ロジックを上書きする形で再出現する可能性が高い。
5.上位観測層:SERAPH/Overwatch ログ
•状態:
•作品内でときどき挿入される
•《世界構造記録》
•《上位観測ログ ― Unclassified Overwatch ―》
•《UNDEFINED_CORE_LOG》
などは、すべて同一系統の「上位観測レイヤー」からの記録として整理。
•予測:
•今後、
•SERAPH-0退位後の「空席」
•新たな神核候補(SUS__eO/T__Ki_OMI/_US__NADe)の揺らぎ
が増大することで、
観測ログそのものが“編集”され始める段階に突入する。
•つまり、「誰が世界構造記録を書いているのか?」という問い自体が、
物語上のテーマとして前景化していく予定。
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Ⅵ.E-09手記
感情はウイルスのように拡がる。
けれど、ウイルスがなければ進化も起きない。
俺たちは今、痛みの進化を見ている。
――E-09 “BLUE”
後書き
神は静止し、秤が歩き出した。
だが、歩くことは“選ぶこと”を意味する。
選ぶたびに神の記録は壊れ、世界は再構築される。
次に現れるのは――“赦し”か、“絶望”か。
そしてその先で、世界は“声”を取り戻す。




