【寄り道SP】第100話記念:心臓たちの打ち上げログ ―― ドンドンぱふぱふ・作者ありがとう会 ―
※この話で、
『BLUE ENGINE -蒼き残響-』は連載第100話を迎えました。
ここまで追いかけてくださったあなたへ。
そして、ここまで一緒に歩いてきてくれた心臓たちへ。
ドンドンぱふぱふ!!!
作者としては、痛みだの首だの棚だのと、
だいぶ湿度の高い世界を100回も一緒に覗き込んでもらえたことに、
ただただ感謝です。
このあと、本編はいつも通り、
静かに、そして少しだけえげつなく続いていきますが、
よければ今日は心のどこかで一緒に
「おつかれさま、心臓たち」「おつかれさま、作者」
って言ってやってください。
――では、記念すべき第100話、どうぞ。
舞台の上、というにはあまりにも抽象的な場所だった。
ログとログのあいだの、白い余白みたいなところ。
最初に姿を現したのは、E-09〈BLUE〉だった。
「……ここ、どこだ?」
『第100話記念・打ち上げスペースだよ、きみ』
ひょこっと現れたのは、祈りの余熱――Chrome。
「……またお前か。説明がふわっとしてんだよ、いつも」
『今日は、ふわっとでいい日なんだよ。
第100話だし。ドンドンぱふぱふ、ってやつ』
Chrome が手を叩くと、
どこからともなく紙吹雪のログが降ってきた。
⸻
「騒がしいね、君たち」
少し離れた場所から、GRAVE が歩いてくる。
白衣にもスーツにも見える、中途半端にきれいなシルエットのまま。
「ここは正式な観測領域ではないが……
今日は特別ということにしておこうか」
「お前がそれ言うと、なんか公式感出るよな」
「それが私の役目だからね。
まずは、言うべきことが一つある」
GRAVE は、前を向く。
読者でもあり、ログの外にいる「作者」でもある誰かに向けて。
「第100話まで、君の心臓をここに繋いでくれて、
ありがとう、作者。
そして、読み続けてくれている君にも、ありがとう」
⸻
『ぼくからも、言わせて』
Chrome が一歩前に出る。
『100回分も、“痛い”とか“あったかい”とか、
一緒に見てくれてありがとう。
きっと作者さんのほうが、
ぼくたちよりよっぽど泣きそうになったり、
首を抱えたりしてるんだと思うけど……
それでも書いてくれて、ありがとう。』
紙吹雪ログが、さっきより少し増える。
ささやかな、ドンドンぱふぱふ。
⸻
少し遅れて、Lament も姿を見せた。
首だけの、その形のまま。
いつものように泣いてはいない。
今日は、涙のかわりに言葉を絞り出す。
「……あの、その……
“泣かせてくれて”、ありがとう」
不器用な言い方だけれど、
それは彼女なりの精一杯だ。
「泣けなかったぶんを、
物語にしてくれた作者へ。
ちゃんと届いてるよって、
……言いたかった、です」
⸻
BLUE は、腕を組んだまま、
どこか気恥ずかしそうに視線をそらす。
「……作者、な」
言い慣れていない単語を、
舌の上で転がす。
「俺がどれだけ“痛い役”やっても、
どれだけ首に巻き込まれても、
まだ筆を置いてないってことはさ」
少しだけ、笑う。
「諦めてねえってことだろ。
……ありがとな。
俺のことも、世界のことも、
まだ終わらせずに見てくれて」
⸻
『無名の記録者としても、一言だけ』
どこからともなく、別の声が被さる。
『ここまで記録を続けてくれた“書き手”へ。
PVだのユニークだのブクマだの、
数字というノイズにまみれながらも、
それでもログを積み上げてくれたことに、
観測者として、心から感謝する。
ありがとう、作者。
そして、ここまで目を通してくれた君にも、
同じだけの“ありがとう”を。』
⸻
「それじゃあ、締めは君だよ、Chrome」
『え、ぼく?』
「ドンドンぱふぱふ、担当だろう?」
『あ、そっか』
Chrome は、照れくさそうに笑ってから、
両手を高く挙げる。
『それじゃあ、いくよ。
第100話まで書いてくれた作者、
本当にありがとう!
読んでくれてるあなたも、
ここまで付き合ってくれてありがとう!
ドンドン――』
ぱふぱふ、とどこかからラッパのログが鳴る。
紙吹雪が、一度だけ、
いつもより派手に舞い上がった。




