第19話 おはようノーパン健康法
《朝 秋崎家》
ドタバタした土日も終わり。また新しい週が来た。
土曜は愛花梨が、有栖川達に調教されているのを静かに見守っていた。アイツ等が帰ったのは夕方位だったか。
何が楽しかったんだろうな? 皆また遊びに来るとか言い始め。俺はダメだぞ。NOと有栖川達に強く抗議したんだ。
あれだけ強く拒否れば。来週はきっと来る事もないだろうな。来週は素敵な休日ライフが過ごせそうで少し楽しみだな。
「眠……行ってきま~す」
「お兄ちゃん! 本当に土日は六花姉とか連れ込んでないんだよね? 嘘ついたら。ギルティなんだからね」
今年で中学2年生になる。こちらの世界での俺の妹。秋崎奈織。星蘭高校系列である星蘭女学院に通う似非お嬢様だ。
妹属性、貧乳、貧乳、貧乳、いちを美少女と。属性てんこ盛りの俺の妹である。こいつ。朝から元気だよな。若いぜ。
「ふぁ~! 妹よ。何度も言わせるなよ。何も無かった……俺は寂しい陰キャライフを送っていたぞ」
「うわ~! 嘘くさ~! あかりお姉ちゃんに連絡して真実を確めてあげるんだからね!」
安心しろ妹よ。お前がお姉ちゃんと慕う愛花梨ちゃんは、エッチ大好き愛花梨ちゃんに改造されている。
今日はパンツを履いて学校に行ってるだろうよ……つまり愛花梨は有栖川サイドの人間。
そう簡単に口を割る筈ないだろうよ。
〖ピロリ~ン! 連絡だよ。お兄ちゃん〗
「奈織。お前……自分の録音したASMRの声を着ボイスにしての? 引くわ~!」
「はぁ~? 別に良いでしょう。私はお母さんに似て可愛いんだから」
……胸は遺伝しなかったけどな。母さんはスタイルが良くて性格も良いのに、そこら辺は遺伝しなかったんだよな。
「………何? その文句を言いたそうな顔は?」
「いえ。別に」
「何か腹立つは……えっと。それよりも愛花梨お姉ちゃんからの連絡はと……」
〖うん。何も無かったよ。全然何も無かったの。下着もまた付けられる様になったしを私は大丈夫だよ。うん。私は大丈夫安心して。なーちゃん〗
「………とても大丈夫そうに見えない書き方で連絡が届いてるんだけど。お兄ちゃん。愛花梨お姉ちゃんに何かした?」
「いや。俺は別に何もしていない。俺は別の部屋で身体を震わせていただけだ」
そう。俺は愛花梨が変わってしまった所を、一瞬だけ確認し。客間に避難していたから、愛花梨がスケベになった事には関与していないんだ。多分。
「……怪しさ満点だけど。証拠もないから今回はノーギルティにしておいてあげる。感謝してよね。お兄ちゃん」
奈織は腰に手を付いてそんな事を言ってきた。何故上から目線でそんな事を言われにゃあいかんのか謎だ。
そして、俺と妹の会話が終わるタイミングを見計らったかの様に、愛花梨をエロティックに魔改造した張本人が降臨した。
「あ! 秋崎君。おはようございます。いつものバス停に来ないから迎えに来ちゃっいました。 早く学校に行かないと遅刻しちゃいますよ」
「……有栖川? 何でこんな朝早くに家に来てんだ? それにいつもと明らかに言葉使いが違うのは何だ?」
「ほげ? その可愛い美少女さんは誰? お兄ちゃん」
奈織が有栖川を見て、驚愕の表情を浮かべている。そういえばこの2人って初対面だったんだな。
「初めまして、秋崎君の有栖川結女と申します。秋崎君とは同じクラスメイトで、1番仲の良い友達です。宜しくお願い致しますね。妹さん?……で良かったですか?」
「は、はい。良かったです。綺麗で可愛いお兄ちゃんのクラスメイトさん。あ! 私。秋崎奈織って言います。お兄ちゃんの妹です。宜しくお願いします」
「まぁ、ご丁寧にご挨拶して下さるなんて嬉しいです。こちらこそ宜しくお願い致します。奈織さん」
有栖川の奴。俺の妹の前だからって。猫被ってやがるな。いつもは発情した猫みたいになってるくせによう。
「プハァアア!! お、お兄ちゃん。この人にしよう。奈織。この人が良いよ。可愛いし巨乳だしツインテールだから、お兄ちゃんの彼女さんはこの人によう」
鼻から鼻血を放出しながら何言ってんだ? この妹は?
「まぁ。それは良い提案ですね。じゃあ私達本当に付き合っちゃいますか? 秋崎君」
そして、有栖川は何を言ってるんだ?
「アホ。それよりもさっさと学校行くんだろ? 急ごうぜっ!」
ペチンッ!っと猫被り有栖川さんのお尻を軽く叩いてやった。
「しゃんッ! な、何するのよ。変態! ひっぱたくわ……引きますよ。秋崎君。オホホ!」
少し刺激を加えただけで化けの皮が剥がれるな。有栖川は……それとお尻をペチンッ!とした時、有栖川のお尻に辺な違和感を感じたが。まさかな。
「良いから。学校行くぞ。じゃあな。奈織、お前も学校遅れないうちに登校しろよ」
「奈織さん。失礼します……あ! 秋崎君。待って下さい。私のお尻を叩いた責任取って下さい。待てって言ってんでしょう! 秋崎~!」
「………お兄ちゃんに六花お姉ちゃんや愛花梨お姉ちゃんとは、違う女の子と登校するなんて初めて見た」
◇
昔から朝学校に行くは、嫌いじゃなかった。
姫夏や愛花梨みたいな可愛い美少女達と、毎日登校していたからだ。
まぁ、高校に上がってからは姫夏はテニス部に朝練で朝は一緒に登校する機会はいっきり減り。
「ちょっと待ちなさいよ!」
愛花梨とバス停途中まで一緒に行き、そこで有栖川と太一に合流。
太一を巡って有栖川達がラブコメ合戦を、繰り広げているのをのほほんっと眺め。時たま愛花梨に有利になる様に立ち回っていた。
「よくも私のお尻ペチンッ!て叩いたわね!」
だがそれも太一《主人公》と愛花梨がくっ付いた事により数日前に終わり。
俺の役目も無事に終わった。
「フッ……1人で静かに登校するのも悪かないな。後はコンビニでコーヒーでも買って、黄昏ながらゆっくりと登校を」
「だから。私が今、一緒にいるでしょう! 話をちゃんと聞きなさいよ! フシャアア!!」
「おっと! 危ない。回避……と?!」
猫被りを止めた狂暴猫有栖川は、脚を振り上げて俺へと襲い掛かって来た。
そんな攻撃を、俺はいつもの様に華麗に躱し。有栖川がいつも履いている純白のパンツを見ない様に顔を反らそうとした瞬間驚愕した。
有栖川は履いていなかった。ノーパンだった。そして、勢い良く蹴り出されたせいかスカート全開がたなびき見えてはいけないものが俺の肉眼に映し出されていた。
俺は瞬時に周りに誰か居ないか確認。この間コンマ0.5秒。良し誰も居ない。
それを確認した俺は、有栖川へと急接近し。有栖川のスカートをバッと抑えてやった。
「フフン! 何? やっと私を無視するのを止めたのかしら? 秋崎君」
何故か勝ち誇っている。有栖川。コイツ本物か? アホの子なのか?
「………有栖川。お前。何でパンツ履いてないんだ?」
「何でって。そりゃあノーパン健康法よ! 愛花梨に勧められたわ。下着を着用してると布切れが擦れてストレスになるから、あえて付けないようにすればストレス軽減で夜も寝付きが良くなるって言っていたわ」
「へ~、凄いなそりゃあ。痴女2号ここに爆誕だな」
「スカートの中がスゥースゥーするけど着脱してあるから解放感が凄いのよ。どう? 秋崎も凄いと思うでしょう?」
いや。それは良いんだが。問題はそこじゃない。そして、何故か朝から有栖川のテンションが高いのも納得した。
下着を着けず。その解放感でハイってやつになっているんだ。
「それは凄い解放感だな」
「でしょう? なんなら秋崎も私達にみたいに……」
「やるかアホ! スカートをたくし上げようとするんじゃねえぇ!」
ペチンッ!
「ふにゃあぁあ!!」
俺は再び有栖川のお尻をペチンッ!と叩き。有栖川の発情した心の正気に戻した。




