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第18話 ヒロイン達は戯れる


「だから秋崎は何も悪くないわよ。愛花梨あかり。悪いのは全部、よもぎなのよ」


「う、嘘だよ? そ、そんな嘘。皆で下着になってどんなエッチな事をしようとしていたの?」


 有栖川は下着姿で俺の右腕に自分の左腕をきらませ密着しながら愛花梨あかりに抗議する。そして、有栖川の綺麗な胸が俺に当たる。


「そうそう何もしていないよ。愛花梨、イヤらしい事なんて何もしていない。そうだよね? 秋崎君」


 左側には姫夏が下着姿で俺の左腕を掴み。身体を密着させ楽しそうに愛花梨あかりを見つめている。こいつ、絶対この状況を楽しんでるよな?


「愛花梨、俺を信じろ。俺は何も悪くない。悪いのはよもぎで、俺はただ巻き込まれただけなんだ。そして、家に皆泊まったのは姫夏のせいだ」


「あ、愛花梨さん。悪いは全部とある男のせいでね。そう! ハーレムが良いとかのたったあの男が悪いの」


「み、皆。ハレンチな姿で何を言っているの? 下着姿でそんなに胸も強調して……朝から不純過ぎるよ。ハヤテくんもなんで結女ちゃんと六花ちゃんに抱き付かれて離れないの? 鼻の下伸びすぎだよ」


 愛花梨が自身のつつましやかな胸を抑えながら。プルプル震えている。ああ、絶対的な胸囲きょういがそこに存在しているんだから絶望もするか。


「伸ばしていない。俺は一途で健全だから。そして、魂も健全だ」


「3人も女の子を部屋に連れ込んで、一晩過ごした男の子が何を言っているの? ほ、報告。ハヤテくんの妹のなーちゃんに報告しちゃうからね」


 愛花梨がスマホを取り出し。俺の妹に電話をかけようとし始めた。ま、不味い。あの妹にこんな状況を知られたら。何をされるか分からん。


「お、おい! 愛花梨。こんなハレンチ状況をあいつに知らせる……な?」



「もう! そんなに私達と遊びたかったのね? 愛花梨。とりあえず服を脱ぎなさいよ。口封じするから」

「そうだね。この状況を外に知られると私達のイメージも悪くなるし……愛花梨も私達と同じ様になれば、情報も漏れる事が無いし服を脱ごう」

「……愛花梨さん。そんなに気にしてたんだね。じゃあ、私が怪しいオイルでマッサージしてあげるよぉ。だから脱いでみようかぁ」


 有栖川が愛花梨のスマホを奪取だっしゅし、姫夏が愛花梨の服を脱がし始め。よもぎが愛花梨の下着を奪い取った。


「ちょ、ちょっと待って。結女ちゃん、六花ちゃん、よもぎちゃん……な、何で私を裸にするの?……私はハヤテくんのハレンチを注意してるだけなんだよ。なのにこんな格好……へやぁあ?!」


 なんかヒロインズが強制的に問題解決にあたってくれた様だ。朝からドタバタとにぎやかだな。


「……皆。支度できたらリビングに集合な。俺、朝食作ってるわ」


 愛花梨の凄い姿を見るにもいかない為、俺は自室を出てリビングへと向かった。


「へ? ちょ、ちょっと待って! ハヤテくん。結女ちゃん達のハレンチを止めてくれないの? スルーは駄目だよ!……ハ、ハヤテくーん」


「せっかくエッチな動画を見れる場所を見つけたのよ。お泊まりも楽しかったし秋崎は紳士で優しいかったの。こんな場所他に無いし、いくら親友の愛花梨でも私達の邪魔をするなら許さないわ」

「愛花梨も今度から一緒に遊ぼう。そうすれば。誰かに告げ口なんてできないよね」

「パシャパシャパシャと! 愛花梨さん。素敵素敵。恥ずかしい写真いっぱい撮ってあげるね」


「い、いや。だ、駄目だよ……私のこんな姿撮っちゃ駄目ぇぇ!! ス、スカートをたくしあげちゃ駄目だよ~!」


 愛花梨の声が俺の部屋から響いて来た。


「………愛花梨。あんた、何でノーパンなのよ」

「………綺麗だね」

「………これは流石に撮影NG」


「ふ、ふえぇぇん! 太一君が私にパンツは履いちゃ駄目って言ってかせてくれなかったの。だからスカート返して~!」


《秋崎家 キッチン》


「……前から姫夏と愛花梨は家に遊びに来てたが。まさか今度から有栖川とよもぎまで家にたむろするわけじゃんないよな?」


 俺はそんな独り言を言いつつ。トーストを焼いたり目玉焼きを作ったりと朝のど定番な朝食を適当に人数分作る。


 両親が旅行趣味で殆どの土日祝は朝から家に居ない為、休みの日は自分で食事を作る為、少しは手慣れている。


《ピロリ~ン! メールだよ。兄さん》


 妹の自作ASMRメールバージョンがキッチンに響き渡る。


「メール? 珍しいな。誰だ?……凛から? 珍しいな。え~と。メールの内容は? 来週。星蘭高校に転校するから私のお世話をよろしくね。だと? アイツ……星蘭高校に来るのか?」


《ピロリロリ~ン! インサタが更新されたよ。お兄ちゃん》


 妹の自作ASMRインサタバージョンの着信ボイスが今度は流れた。


「インサタ?……あぁ、太一が更新してんのか。俺と違ってリアル充実してる奴だもんな。どんな写真をあげて……」


『親友君へ。君の助けなんてなくても。僕はこんな可愛い子を落とせるんだ。だから今度から僕の邪魔をするなよ。お邪魔虫野郎!』


「何だこれ?……パンツしかいてない太一のドヤ顔がアップで写って、その隣には女の子か? 顔とか体型は太一の顔で上手く隠れてるな。つうかアイツ……彼女ができたのに何やってんだ? 馬鹿なのか?」


 俺はそんな奇妙奇天烈な太一のインサタ写真を見ながら。朝食の準備を進めた。そうしないと色々と心が落ち着かなかったからだ。


「……愛花梨は家でわちゃわちゃやられてるし。いや、恋人同士の話に首を突っ込むと良くないし。少し様子見でいいか。来週は凛とも会うし、今度からはアイツの事だけに集中しよう」


 俺の初恋相手の凛が星蘭高校にやって来る。その時の俺は、凛の事で浮かれていてを太一や愛花梨の問題にはあまり感心がなかった。


 後々、太一の奴があんな馬鹿な事を仕出しでかすとも知らずに。

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