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第17話 朝起きたら私の格好が

「有栖川は可愛いな。こっちおいで」


「は? 秋崎。アンタいきなり何言ってるのよ……て! 何で私裸になってるのよ?! にゃ、にゃあ?!」


 秋崎は私の身体を抱き寄せると、静かに私の耳元に顔を近づけて……


「優しくしてやるからな」


「う、うん。私始めてだから優しくしてね」


 そして、私は秋崎は────


ジリリリ!!


《疾風ほ部屋》


「…………夢だったわ……むぐぅ……何かしら? 何かに抱き抱えられてるの?」


 私は少しだけ顔を少しだけ移動させると秋崎の寝顔が直ぐそこにあったわ。


「……んぐぁ」


「秋崎がスヤスヤ寝てる……じゃあ。もしかして私」


 私は昨日着ていたYシャツの乱れを確認したけど……


「何の乱れていないわね。それに秋崎が私大切に抱き抱えられて寝てる。昨日、よもぎに洗脳されている私を大切にしてくれてたの?」


 朝目覚めたばかりでお馬鹿な事を考えちゃうわ。駄目ね……昨日のいきなりのお泊まりが楽し過ぎたせいで思考がお花畑になってるわね。


「おはよう有栖川。先に起きて朝食作ってるから。支度できたらリビングに集合な。じゃあ」


「ちょっと。何で普通に起きちゃってるのよ」


 少しは私と一緒に眠った事を恥ずかしがりなさいよ。アホ崎……途中まで再生していた動画見ながら支度しようかしら。


《秋崎家 キッチン》


 自室を出た俺はさっきの有栖川の姿を思い出しながらもだえていた。


「………ビックリした。起きたら有栖川のあんなエロい姿があるなんて。ついつい手が出そうに……いやいや。俺は何を考えてんだ。しっかりしろ。自制心を持て負けるな俺!」


ビンポーン!


「ん? こんな朝から誰か来たのか? 母さん達にしては帰って来るの早すぎるよな」


 俺は玄関の方へと向かった。ちなみに姫夏とよもぎの2人は仲良く客室のベッドで眠っていた。


 あの2人は部活もやっている様だし、疲れが溜まっているんだろうな。


ピンポーン!


「はいはい~! 今開けますよ~!」


 こんな休みの朝から急かせるなって、どんだけ急ぎなんだよ。


ガチャッ!


「は~い! どちら様ですか?」


「おはよう。ハヤテくん」


 私服姿の愛花梨あかりが立っていた。あれ? たしか今日は朝から太一の奴と一緒にどっか行くとか言ってなかったか?


「おはよう。愛花梨あかり。こんな朝早くどうしたんだ?」


『ラメえぇぇ!!』


 ……? 俺の部屋から知らない女の人の声が聴こえ来たぞ? 何だ?


「う、うん。ハヤテくんの妹のなーちゃんから連絡があってね。『兄さんがちゃんと健全に過ごしてるか見に行ってくれないかな? 愛花梨あかりちゃん。お願いします』て連絡があったの。だからね。様子を見に来たんだ」


 うん。相変わらずのゆるふわボイスが耳に心地良いな。流石、〖私を好きなだけ追い詰めてダーリン。余所見はNoneNone〗のメインヒロインだな。


『そんなの恥ずかしいから駄目なのに~』

「す、凄いわ。このシーン」


 ……さっきから俺の部屋から何か聴こえてくるが。もしかして有栖川の奴。またエロ動画を朝から見てんのか? あいつどんだけエロ動画が好きなんだよ。つうか朝から大声出すなよな。


「……えっと。ハヤテくん。もしかして、彼女さんかな? できたの?……あの女の子の声。結女ちゃんだよね?」


「い、いや。できてない。それに有栖川でもない。大きい猫でも部屋の中に住み着いたのかもな」


 ま、不味い。愛花梨あかりは何か1度気になり始めると答えを探ろうとしてくるんだよな。


「……ふ~ん。なーちゃんにはね。『兄さんに変な無視が付いてたら私に知らせてね』って言われているんだ。確かめさせてもらうね」


「ちょ、ちょっと待てそんな強引に話を進める奴がいるか。前と違うんだぞ。お前は彼氏持ちで、太一とは違う男の部屋に入るなんて」


「太一くん。なら昨日の夜から私とは別の女の子とデート中だか安心だよ」


「はぁ? 何だそれ? どういう……」


『我慢できないよ~!』

「す、凄い場面だわ~!」


 有栖川の奴~! またあんな大声で。


「……へ~! ハヤテくんは昨日の夜は結女ちゃんと過ごしてたんだね。私は昨日の夜はね。太一と結ばれてね。お電話したんだけど浮気されてたんだよ。凄いよね」


 愛花梨あかりの目の光彩こうさいが消えている。な、何だ? ヤンデレルートでも入ったのか?


「ハヤテく~ん。扉開いてるから。ハヤテくんの部屋勝手に入っちゃうね~!」


「あ! アホ。何、俺の許可なく俺の部屋に入ってんだ。愛花梨あかり!」


 愛花梨は幼馴染みの俺に対しては遠慮かない。普段は優しいが。何か俺が悪いことをすると容赦がなくなる。


 俺は走った。走って自室に向かったが。もう手遅れだった。俺の部屋に入った愛花梨が見た光景はというと……


『…………もう。駄目えぇ!』


「エッチだわ」「……朝から凄かったね」「ハッスルしてね~」


「………結女ちゃんと六花ちゃんとよもぎちゃん。何でそんな姿でエッチな動画を見てたの?」


 凄い光景だった。制服に着替えてる途中だったのかは分からないが。ヒロイン達が下着姿でエロ動画を見ていたんだ。


「とりあえず。俺は朝食の用意をしてくるからな……ごゆっくり~」


 俺は静かにその場から去ろうとした瞬間。


「ハ、ハヤテくん!」


「は、はい! 愛花梨ちゃん」


 おっと。ついつい昔の呼び方で愛花梨を呼んでしまった。


「そ、そこに正座しなさい! このエッチな状況をちゃんと説明してええぇ!!」


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