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第14話 個室で寝るから

《俺の部屋》


「エヘヘ~! もう~! 秋崎ったら~! そんなに金髪ツインテールの美少女が好きだったのなら早く言いなさいよね。とくにこのお気に入りフォルダーの中にある『金髪ツインテールのアリスちゃんは俺が包容してやる。そして、最後まで大切にする』が一番好きな動画だなんて。良い心がけよ」


 ぐっ! ぐおおおぉお!! 有栖川!! 俺のエロフォルダのお気に入りランキングを全然恥ずかしげもなく、タイトルを言うじゃねえぇ!!


「つっ!………何で俺のパソコンのパスワードをしている? 勝手には開けない筈なのに」


「え? そりゃあ。六花が把握していたからに決まってあるじゃない。あの娘。あんたが出掛けている間に、あんたのお母様に許可を取ってパソコンをしょっちゅう使わせてもらってたのよ。それで秋崎達を待っている間、暇だから今日もパソコンを私と一緒にポチポチしてたら………これを見つけちゃったの」


 あの母親~! 何を息子が不在中なのを良い事に、隣の家の幼馴染みを招いてパソコン使わせてんだよ~!


「……そ、そうか。ならパソコンを閉じようぜ。これ以上俺の傷口を広げないでくれよ。有栖川」


「ん~……まだね~、もう少し見たら終わりにしてあげるわ……わぁ〜! 凄いわね。エッチだわ〜! タイトルは? 『華奢な身体だけど抱いてよダーリン』と『貧乳で赤髪の幼馴染みは好きかな? 抱いてくれる?』……秋崎はこういうのも好きとメモメモよ……」


 動画を再生し、パソコンの画面食い入る様に、興奮しながら見詰める有栖川。何してんだ? この恋愛ゲー〖私を好きなだけ追い詰めてダーリン。余所見はNoneNone〗のNo.1人気ヒロインは?


「パソコンならまた暇な時に見ろよ。俺の秘蔵のエロ動画は駄目だかな。つうか恥ずかしいから動画再生を止めろ!!」


「良いじゃない別に! このまま垂れ流して再生しても。家じゃあ、お母様が厳しいからこういうエンタメが見れないのよ。スマホも如何いかがわしい系のは見れないようにブロックされちゃってるし、飢えているのおぉ! 秋崎なら分かってくれるでしょう?」


『そ、そこはラメなの〜!』


 俺がパソコンに近づき再生されている動画を消そうとした瞬間。興奮した有栖川が俺の胸元へと飛び込んで来た。

 目をウルウルうるませて、その豊満な胸の感触を押し当てながらだ。これは俺にとって効果は抜群だった。


「………あ、ああ。たしかに有栖川の家は厳しいんだったな。息抜きも必要か」


「うんうん……だから今度からは週末は秋崎の家のパソコンを使わせてね。良いわよね? お願い」


 ………こいつ。どさくさ紛れて何を言ってんだ。そんな事されたら俺のプライベートがなくなるだろうが。そして、より強く胸を押し当てるな。圧が……圧迫される。


「あ、ああ。そうだな……それで有栖川のストレスが軽減されるなら良いか」


「本当? 嬉しいわ! ありがとう。秋崎〜!」


 何言ってんだ俺ー! 有栖川の胸に負けてんじゃねえよ。くそ! 胸元で可愛い顔が頬擦りされる何も拒否できん。 


『おら!……いけや。こら!』

『ラメぇえぇ!!』


 パソコンからは有栖川が一番気に入ったのだろう。イヤらしい動画が再生されている。


「………俺のプライベートが死んだ日だな」


「私と秋崎の中に秘密が共有された日よ。私、結構こういうコンテンツ好きなのよね。秋崎と趣味が合って嬉しいわ。エヘヘ~!」


 有栖川は何言ってんだ? いや有栖川が実はムッツリでエロに興味津々なのはゲームをやって知ってるだが……有栖川の奴。今後は家に遊びに来まくる気満々じゃねえかぁぁ!!


 そんなコントみたいなやり取りを有栖川としている間に、部屋の扉が開いた。


「秋崎君。お風呂先にありがとう。それと君のYシャツは使わせて持ったからね。勿論、雪乃さんからは許可持ってるから安心して」

「ふぁ~! ハヤテ君の匂いがしますね。スンスン」


「お前等。何だ? その格好……俺の何を借りるって?」


 上は白のYシャツに、下は下着姿の姫夏とよもぎが上機嫌で部屋へと入って来た。そういえばよもぎの奴。コンビニで女性用のパンツ買ってな。


 つうか俺の許可無しに服を強奪してんじゃねえよ。


「お前等……俺の家でフリーダム過ぎだろうがぁぁぁ!!」



椎名しいな愛花梨あかりの部屋》


「………? ハヤテ君の部屋から? 誰かと遊んでいるのかな………それよりも太一君にお電話しなくちゃ」


プルプル……プルプル……ピッ!


(………はい? 愛花梨あかり。こんな時間に何か様?)


「あ! もしもし。太一君。う、うん……あのね。寝る前に太一君の声が聴きたくなってお電話してみたの。エヘヘ」


(………エヘヘって、何で今なんだよ)


「へ? で、でも太一君。いつでも電話とか連絡してきて良いって言ってくれてから……ごめんね」


(ん~? どうしたの藤本~! 立って来たならた続きしようよ。早く早く)

(うわぁ!! 三月先輩! そんな触ら……)


「……(三月先輩って、あの不良の?)……あ、あの。太一君今誰と居るのかな? 女の子の声が聴こえた気がしたんだけど?」


(うっ!いぐ……き、気のせいだって……それよりも用事が……ないなら切るからじゃあ……ハァハァ……)


ガチャ……ツーツーツーツー


「………太一君……三月先輩と何をしているの?」


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