Filing1-5 隠さない爪
日暮レイは5つ年下の女の子に失恋する。慰め、笑い合うタケとカナ。
同日、秘特係(秘匿事件特別捜査係)の潮田ノゾミたち上野班は近くの住宅街を捜索していた。
収穫がないまま、最後に近くの学校内を捜索することにし、そこへ向かう。
ー記録ー
同日、日没前
教職員1名、父兄1名の負傷及び死亡を確認。
早急に対処せよーーー
「ヒデト、私から少し距離とれ…。」
左手を軽く上げ、ノゾミは一息前に進み距離をとる。
突入前に、見取り図確認しておいたけど、やっぱり見たことないとこだから、やりにくいな…。
廊下の照明が、床に部分反射し視界が僅かに揺らぐ。
っ、あれか?今階段から降りてきたやつが…。
廊下の奥、角にある階段から1人の男子生徒が降りてきた。生徒は1階に降り、頭をこちらにむける瞬間に顔が平地から生えてきた。
刹那の出来事なので、恐らく視認するのは困難であろう。だが、音もたてずに生えてきた。
「「ヒデト、援護頼んだ…。」」
インカムで一言入れた後、1歩踏み込み、間髪入れずにノゾミは相手の間合いまで詰める。
顔下、右、出来れば…"顎"。よし、入っt!!
ノゾミはみぞおちに拳を入れられ、受け身をとれずに壁へ叩きつけられる。衝撃地点からの亀裂は波紋を広げる。
怪物は、埋まるノゾミに追撃のために拳を構えモーションへと移る。と、同時にヒデトは無数の白墨を怪物に対して投擲する。微弱に蒼白く発光する白墨は怪物の顔をかすめる。
ノゾミは弾き飛ばされ、砕けた壁面の破片がヒデトを襲う。
ってて、間合いは広いな…。素手じゃ、太刀打ち出来そうにないな。早めにアレ使うか…。
ヒデトが、破片をバットで全て捌き怪物に弾き返す。
「ノゾミ先輩、廊下だと分が悪い。窓蹴破って、外に連れ出してから使った方がアクシデントが起きづらいはず。どうします?」
瞬きの間、ノゾミは思考しヒデトに指示をだす。
「いや、このままこの場で応戦する。ヒデトは少し回って2階に向かえ、生体反応がある。気をつけろよ。」
「「了解。」」
ノゾミとヒデトは同時に動きだす。ノゾミは怪物に突進し、ヒデトは横の教室に移り、教室伝いで階段まで移動する。
腰のポシェットから親指程度の物体を取り出し、ノゾミはそれを口に含む。
口腔に息を溜め吐き出すと、七色の膨らんだ風船ガムがノゾミの顔前に現れる。
瞳の光が消えたノゾミは、怪物の背後を取り、強襲をかける。
周辺にはサイレンが鳴り響き始めた。
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