Filing1-3 面談時間後編
「これでよし!今日の展示はここまでにしよっか。みんなありがと。」
爛漫な笑顔を運営委員にむけるカナ。作業を切り上げて片付けにはいり始める。教室には、段ボールがかさばる音が響く。
今日は、結構進んだね。明日は、7割くらい終われば後は楽できそうかな。
明日以降の作業内容を考えながら、黙々とカナは手を動かす。
「ねぇ、カナ。この後、カラオケでも行かない?奢るよ。」
クラスの女子たちがカナに声をかける。
腕を組み、カナは数秒考える。
うーん、レイ待たせてるのに急に別件で帰るのはちょっとなぁ。
「ごめん、今日いけないから日曜行こ!」
女子たちは顔を見合せニヤケる。
「ほぉー、そうか、そうか。なら仕方ないな、今回は日曜ってことで手を打とうではないか。」
「ありがと、また明日ね。」
そういい放ち、カナは空を切るように教室から飛び出していく。
「あの馬鹿の嗜好が、年下じゃなければもう成就してるだろうに。なんか、可哀想だよな。」
女子たちは教室を出て昇降口にむかっていく。夕陽の大部分が姿を隠し始めていた。
大方の生徒がいない校内の廊下にはカナの足音だけが呼応している。
ここの階段を上がれば教室か、ちょっと予定より遅くなったけど機嫌は如何なものかな…。
カナは苦笑を浮かべながらレイが待つ教室へ向かう。
「っん?、レイ迎えに来てくれたの?」
珍しいな自ら赴くなんて、変なものでも食べてた?
踊り場手前に暗がりのなかに、人影がいるのをカナは確認する。
「おう、タケか!もう面談終わったの?お前は1時間はかかると思ってたよ。」
息が上がったカナは手すりに手を置きながらタケに話しかける。
「そんなに成績がよくなかったんですね、私は。」
タケは笑みを装いながらカナに近づく。
「タケ?どうしたの。急に丁寧な口調になって、ちょっとキモいぞ。」
和ませようとカナは、軽口を叩きながらタケの側腹部をはたく。
タケは静かにカナを見つめる。
「キミで私の計画がやっと形作られる。」
「どうした、タケ…!」
両腕を掴まれカナは、壁に押さえ込まれ、声をあげようと口を動かした瞬間、口はタケの口で押さえ込まれる。
舌が口腔で蠢き、痙攣しながらカナは意識が遠退いていく。
誰だよ、あんた。タケの身体で、なに…し…て、r。
糸が切れたようにタケは倒れ込む。押さえ込まれていたカナは掴まれていた腕を振りほどき自分の肩をはたく。
「うっ、さっきに比べて、反動がでかいですね。ひとまず、う、ご、けますね。」
カナは、隈無く自身の身体の状態を確認する。寝転がっているタケをカナは見下ろす。
こいつ、まだ意識があるのか。今のうちに始末しておくか。
カナが腕を振りかざした時、何者かが廊下の角からこちらへ歩いてくる。
「誰だ、ここで騒いでるやつは。」
現れたのは荷物をまとめてきたレイだった。
血走った表情のカナから突如笑顔が溢れでる。靴が擦れる音が廊下にこだまする。
「キミに会いたかったよ。」
静かにカナはレイに告げるのだった。
ご高覧ありがとうございます。ここから、ストーリーが大きく動いてきます。次回も是非ご覧ください。更新予定日は来週の月曜日です。




