Filing2-3 自身の過失は自身に見えず
助けて
助けて
助けて
タスケテヨ
助けて
助けろ
助けろよ
助けて
…。
誰も見つけてくれない。私を見てくれるのは、やはりアノお方だけのようだ。
アノ方は、私を必ず見つけてくれるし、面倒もみてくれる。
アノお方だけが私を理解してくれる。寄り添ってくれる。
だから、アノ方の為なら私は非道な手段も厭わない。
「はい、ヴぁーカぁ。キョウスケに分かんなくて、私にはわかるんですぅ。」
この人たちは、なんでこんなことしてるんだろ…。
俺は、この2人に何があったのかは知らないが今ここで揉めるのはやめてくれ。
2人の空気に耐えきれずレイは心のなかで泣き崩れるのだった。
「さっきまで俺たちがひと通り調べてたけど不審な点は見当たらなかった。何か共通するものがあるかもう一度整理してみるか。」
被害者① 長根ガクト(32) 男性
職業:大学職員
現住所:日之都コウジ町字中の沢1番地2
利用回数(週):週3通い、決まった曜日に利用はしていない。夕方から夜の閉館まで利用することが多い。
被害者② 秋森シオン(14) 女性
職業:中学生
現住所:日之都コウジ町字大沢通り5番地1
利用回数(週):週4通い、月曜日と水曜日には必ず通うがそれ以外は決まった曜日に利用していない。放課後に利用する。19:30には必ず退館している。
被害者③ 河西ユイ(23) 女性
職業:専門学生
現住所:日之都蔵石区 字石澤9番地7
利用回数(週):週7通い、昼間から利用することが多い。
被害者④ 中嶋タツヤ(33) 男性
職業:シンガーソングライター
現住所:日之都コウジ町字音坂5番地1
利用回数(週):週5通い、土曜日と日曜日は蒼葉公園での路上ライブをするため利用しない。開館時間から閉館時間までいることが多い。
「今分かるだけでは、繋がっている情報は見当たりませんね。」
ノゾミが資料を覗き込み眉をひそめる。
「この人たちがいつも利用してたフロアの管理情報ってないの?」
「俺たちもそこが気になって事務員に聞き取りしてみたら管理情報は貸し出した物の返却が済んだら速やかに削除されてるため、残っているのが微々たるものだって…。」
ん?それって残ってないわけじゃないってこと?
「何が残ってたの?」
「第4の被害者の中嶋さんが借りてた文献情報しか残ってなかった。延滞常習犯みたいだな。」
紙袋のなかからキョウスケは文献を取り出し2人に見せる。
【澤口博也から学ぶ~魅了する旋律とは~】
貸し出し:6/30
返却期日:7/14
「まぁ、3日ぐらいみんな忘れそうだけどね…。」
3人とも先程までの緊張がほどけ、思わず笑いがこみ上げてきた。
これが、もしかしたら被害者たちの共通するものかもしれない。
「…共通するもの、っていう可能性もあるけど、この人の職業的に興味関心があっただけかもしれない。」
たしかに、ノゾミさんのいう通りではある。他の被害者たちが同じとは限らない…。
「…ということは、利用者の方々に聞き込みいくぞ。3人に別れて聞き込むか。それでいいか、潮田…!?」
えっ、ノゾミさん急になに!?抱きついてきて。
「だぁ~め、私は日暮さんと聞き込むの。邪魔しないでよ。」
「えっ、別に…。」
シっ、静かにして。今君と離れるのは色々な意味でまずいから、私の側にいて。
小声でノゾミはレイに耳打ちをする。
「あ…あ~と俺、ノゾミさん、とイッショに聞き込みシタいな、あー。」
日暮さん、なんでカタコトで話すんだよ。コイツに勘づかれたらどうするの…。
「おぅ、そっかじゃあ俺は入り口付近のフロアから聞き込みするから奥からよろしく!!」
そういうと、キョウスケさんは視聴覚室を出ていく。
「ノゾミさん、あの…。」
「日暮さん、この事案には"のっぺらぼう"が関わってる可能性が高いです。ここからの事に備えるため、最低限ここで"のっぺらぼう"について伝えます。よく聞いてくださいね。今から起こりえること、気をつけなければいけないことを…。」
鬼気迫る空気に体が萎縮する。時折みせるこの空気はどこからくるのだろう。
昼下がりの鐘の音が館内に響き渡り、視聴覚室には外からの暖気がジワジワと流れ込んでくる。
現在7/17
期日まであと"100日"
ご高覧ありがとうございました。
ノゾミとキョウスケの関係性を少しお見せすることができたでしょうか。
次回はついに"のっぺらぼう"についてノゾミの口から語られます。お見逃しなく( ̄□ ̄;)!!
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次回更新も是非、ご覧ください。




