Filing1-9 潰えぬの記憶
4月1日
今日で施設を出て警察学校へ入校しました。
みんな、私を変な目で見てきました。
言われたわけではないけど、視線が痛く突き刺さりました。
私は普通ではないのですか。
お母さんに会いたいです。
会ってみたいです。
お父さんに会ってみたいです。
どうして、私にはいないのですか。
ロウオウはなんで、何も教えてくれないのですか。
私がどのような人間で、どんな家系に生まれたのか、ルーツはどこなのか、何を信仰していたのか、家族のルールはあったのか…
私は何も教えて貰えない。
私は、知りたいだけなのにーーーー
どうして私は、今こうして戦っているのだろう。私はまだ許されていないのだろうか。未だに考える。
私は、私の願いのために行動いるだけなのに。
皆は、自身の願い、身が危うくなるとそれらを守ろうと保身に走るのに…私には許されないのだろうか。
だから私は、秘特係に抗うのだ。
やつらの狙いは私の無力化…。この戦いは私が逃亡するだけで勝ちとなる。
突如乱入してきた前の入れ物を取り抑え、再び向かってくる少女に私は身構える。
一挙一投足、全てに重さを感じ芯に響く。
見落としがちになるのが、後方から飛んでくる硬球だ。なぜか、あの男からの硬球での打撲痕は回復が遅れる。
なにか仕掛けが…。
本当に、私は…。
「1つ問うてもいいですか。白髪の少女よ。」
交戦中、私は白髪の少女に向かい静かに問いかける。
「私を連れて行き何をするつもりなのですか?」
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こいつ、対話ができるのか!?
私は、この生き物を知った気になっていただけなのかもしれない。
ノゾミはギョっと目を丸くし、瞬間に思考を巡らす。
惑わされるな - こいつも必死なんだ - でも -- 仮に別の狙いがあるのか…。
!?
今まで、受け流されていた攻撃を初めて身を捻り躱される。
「君は考えもしなかったのかな、今まさに共闘していると思っているこの入物が私の管理下にある可能性を…。」
怪物はニヒルに微笑み、語りかけてくる。
振り向くと彼女の身体は顔の原型だけを残し、肉体が膨れ上がっている。いや、筋肉が極端に膨張している。
先程まで、気配を毛程も感じなかったが突如溢れるようなプレッシャーが畳み掛けてくる。
押し潰されそうな、重い空気が全身に纏わりつく。
っ、こいつやっぱり…そうだよね。でも、私は彼女を対象としてでなく1人の人として…。
怪物に渾身の衝撃を放ち、吹き飛ばす。すかさず、私は彼女の制圧にうつる。
「落ち着いて、もう大丈夫だよ。」
彼女は、自身の身に起きている状況を理解できずに暴走する。
とりあえず、麻酔弾を打ちたいけど…今両手を離せば大変なことになる。如月さんを呼ぶか?
私は今掛けれる台詞を探し、彼女に向かって言い続ける。
「さっきはありがとう!助かったよ、よくやってくれた。次も頼むよ…だから、今は、落ち着いてくれ。」
すると、彼女の暴走が収まり、静かに肉体が元の形に戻り始めた。静かに目を瞑り、彼女は眠りについた。
何が届き、何がきっかけかは分からないが、ひとまず一難去った…といったところだな。あの怪物は既に、姿を眩ましやがった…。
半壊した校舎を横目にノゾミは座り込む。
本部になんて言い訳しようかな…。渡辺さんに怒られそうだな…トホホ。
あれが帝国軍陸軍大将"東野 秀雄"の被験体か…。文献よりだいぶ大胆なやつだったな。
まぁ、なんとかなるか。今出来ることをやってくだけだよ。
気持ちとは相反し、空は澄んだ星々がひどく輝いていた。
ご高覧ありがとうございました。
前回、ノゾミとレイの共闘を描きます!と意気込んでいましたが、なかなか思うように共闘は描けませんでした( ノД`)…。
ですが、次回からようやくストーリーが動き出します。導入編はここまでです。次回からは事件を書いていくので楽しみにしていてください。
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次回更新も是非、ご覧ください( ̄□ ̄;)!!




