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最終章 第60話 夜明けの誓い


地上、瓦礫の広がる廃墟の中。

カイとレイは、崩れ落ちた旧中枢施設を背に座り込んでいた。


風見惣一郎は、

そっとカイに肩を支えられ、

かすかな呼吸を繰り返していた。


「風見……。」


レイが近づき、

しゃがみ込む。


「俺たちは……

勝ったのか?」


風見は小さく笑った。


「勝ち負けなんて、

そんな単純な話じゃない。」


「これからだ。」


風見の目が、ゆっくり開き、

カイとレイを見つめた。


「AIが消えた後の世界は、

不完全で混沌とした場所だ。」


「だから――

お前たちが、

旗を掲げ続けるんだ。」


「なぁ、風見。」


カイがかすれた声を出す。


「……お前は最初から、

全部計算してたのか?」


「世界がこうなることも、

俺たちがここまで辿り着くことも。」


風見は小さく笑った。


「人はな……

全てを計算なんてできない。」


「ただ、

最善を尽くすだけだ。」


「お前たちが、

今後どんな世界を作るか――

私は、楽しみだった。」


風見の目が、

細く閉じられていく。


「行け、若者たち。」


「未来を、頼んだ。」


最後の呼吸。


老紳士は、

静かに微笑んだまま、

動かなくなった。


カイは膝をつき、

そっと目を伏せた。


「……ああ。」


「任せろ。」


レイは、夜明けの空を見上げた。


東の地平線が光を帯び、

新しい一日が、

世界を照らし始めていた。


(この先の未来は、

もう誰にも計算できない。)


(だから俺たちは――

前に進む。)

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