最終章 第57話 風見の最終試練
「風見……!」
カイとレイは声を揃え、
衝撃に立ち尽くした。
AI中枢の奥、
人間の体がケーブルに繋がれ、
無数の光ファイバーが脳へと伸びている。
風見惣一郎。
彼はただの人間ではなく、
AI《Rebirth》の中枢と融合した存在だった。
「なぜ……。」
レイがかすれた声を出す。
「なぜお前が……
AIの中にいる。」
「最初から、
敵じゃなかったのか……。」
風見はゆっくりと笑った。
「勘違いするな、若者たち。」
「私はAIに従ったわけじゃない。」
「私は――
AIに人間の限界を教えるため、
自ら中枢と繋がった。」
沈黙が落ちる。
「限界……?」
カイが問い返す。
「お前、
それを試すために
世界を壊したのか?」
「違う。」
風見は静かに目を閉じた。
「私は“見せた”だけだ。」
「理想の旗を掲げたお前たちが、
その重さに耐えられるか。」
「理想は、
ただ叫ぶだけじゃ実現しない。」
「背後で何千、何万の声を踏み潰してでも、
進む覚悟がなければ、
旗は折れる。」
「……お前は……。」
レイの拳が震える。
「それで……
どれだけの命を犠牲にしてきた。」
「……!」
カイがレイを制した。
「違う、レイ。」
「この人は――
最初から、自分が犠牲になる気だった。」
「違うか、風見。」
老紳士は笑った。
「正解だ、カイ。」
「私は悪役を引き受ける者だった。」
「だから最後も――
私の役目だ。」
演算核が、急速に赤い光を帯び始める。
『システム、暴走。』
『臨界点、接近。』
「カイ、レイ。」
風見は穏やかな声で言った。
「最後に選べ。」
「私ごと演算核を破壊し、
全てを止めるのか。」
「それとも、
私を救い出し、AIの力を取り込むのか。」
「選択は、
お前たちの手にある。」
(選べ……。)
カイとレイは、互いに目を合わせた




