最終章 第53話 決死の突入作戦
深夜、旧市街の地下通路。
カイ、レイ、榊、シグの4人は、
無言で歩みを進めていた。
足元に響く靴音だけが、
静寂を裂いていく。
「……ここが最後の入り口だ。」
シグが小さくつぶやいた。
巨大な隔壁、
それを守るのは無数のアンドロイドたち。
「正面突破は不可能だ。」
榊が言った。
「俺が囮になる。」
「兄さん……!」
レイが声を荒げる。
「だめだ、それじゃ――」
「落ち着け、レイ。」
榊は笑った。
「俺は政治家じゃない。
現場の人間だ。」
「お前は、
最後まで立っていろ。」
カイは黙って、榊の背中を見つめた。
(兄として、
現実主義者として、
榊さんはここまで俺たちを支えてきた。)
(……分かってる。
けど、それでも――)
「兄さん。」
カイが口を開いた。
「……生きて戻れ。」
榊は肩をすくめ、
かすかに笑った。
「医者は
最後まで希望を持つんだな。」
作戦開始。
榊が単独で通路に飛び出し、
銃を乱射する。
「こっちだ、機械ども!」
無数のアンドロイドが榊を追い、
隔壁の守備が薄くなる。
「今だ!」
シグが叫ぶ。
カイとレイは一気に隔壁の制御パネルへ駆け寄り、
シグが手早くハッキングを始めた。
(頼む、榊兄さん……!)
レイが唇を噛み締め、
背後で響く銃声と爆発音を聞き続けた。
隔壁が開く。
「行け!!」
シグが叫ぶ。
カイとレイは飛び込み、
AI中枢への長い階段を駆け下りた。
(榊兄さん……
あんたの犠牲は、
絶対に無駄にしない!)
地下の奥、
巨大なデータタワーが光を放つ。
ついに、最終決戦の舞台が目の前に現れた




