げにおそろしきもの
昔の日本では恐ろしいものとして『地震、雷、火事、親父』という言葉がありました。
地震がいちばん怖かったようですね。今の日本より建物の耐震性が低かったことや予測や予防ができないことが理由のようです。
『親父』はどうでしょうか。最近は父親の威厳が少なくなってるかも。
「んとね。白猿さん。昔の日本では『地震、雷、火事、親父』って言葉があって、怖い順で並んでいるの。でも、最近は怖い父親って昔より少ないと思うの」
「そうかもな。しつけと称して児童虐待する親は問題外だし、優しいパパさんがいてもいいと思うぜ。まぁ、おいたをする子供にはしっかりとしからないとダメだよな。とはいっても、暴力はダメだが」
「んとね。僕は地震より火事の方が怖い気もするの」
「火事は予防ができるし、火消しの対応もできるけど、地震はそうはいかないよな」
「あ、そっか。地震の場合にできることは少ないんだね」
「それと『地震、雷、火事、親父』の親父って、元々は『おおやまじ』という言葉で、台風の意味って説もあるんだ」
「親父だけ自然現象じゃないから、台風の方がふさわしいかも」
「最近は気温も海水温も上がってて、台風が起きやすくなっているな」
「んとね。台風って、進むコースの右側が危ないってきいたの」
「日本に来る台風は反時計回りで風が吹くんだ。だから進む方向の右側が風が強くなる。でも反対側もそれなりに強風だし、台風から離れている場所でも大雨になるから油断は禁物だぜ」
「なんで台風って反時計回りになるんだろう」
「台風に限らず、地球の北半球では低気圧の空気の塊は反時計回りにうごくぜ」
「え? そうなの?」
「西高東低の冬型の気圧配置では、日本の東側に大型の低気圧がある。これが反時計回りの風を起こすから、日本に北風が吹くんだ。地球を北極側から見ると、反時計回りで自転しているぜ。北極の地面は静止してて、赤道では高速で地面が動いている。だから北半球の空気の塊は反時計回りに渦をまくんだ」
「今年の台風10号は、台風が来る前の被害も大きかったみたいなの」
「台風は周りの雲を引き寄せるんだ。台風がすぐに通過してくれれば、雲を持っていってくれるからすぐに晴れる。台風一過というやつだな。台風10号はゆっくり動いたから、反時計回りの風の影響で、太平洋の水蒸気が南から日本に入ってきたんだな。台風が九州あたりにある時に東海地方や関東でも大雨になった」
「んとね。台風が近づくと、体調が悪くなる人とか、インターネットの通信が遅くなるっている人がいたの」
「体調不良は低気圧の影響もあるかもな。ネットが遅くなるのは、外出を控えてインターネットを利用する人が増えるからだろう。防災情報へのアクセスも増えるしな。大雨の中では電波の通りも悪くなるから、インターネット回線の大本が無線のところも遅くなるかも」
「んとね。台風って英語でも『タイフーン』っていうんだよね」
「太平洋でも東南アジアの東側とかで発生するやつがタイフーンだな。日本語の台風という言葉がもとになっている。でも場所によって呼び名は違うぜ。インド洋から南太平洋のものはサイクロン、北太平洋のアメリカ西海岸と大西洋のものはハリケーンって呼ばれている」
「なんかヒーローが乗る二輪車みたいな名前なの」